MA×コンテンツマーケティングで商談を増やす実践手法|ネタの集め方や活用法を解説


ナーチャリングを行いたいが、送るコンテンツ(ネタ)がない
記事やホワイトペーパーを作っているものの、それが商談につながっている実感がない
MAツールやSFA/CRMのデータがバラバラで、結局誰に何をアプローチすればいいかわからない
ナーチャリングをしようと、MAツールを導入したものの、送るコンテンツが不足しているという状況に陥る企業は少なくありません。
MAツールはあくまで、適切なタイミングで情報を届けるための手段にすぎません。顧客の検討度合いを引き上げるためには、顧客の課題に寄り添った良質なコンテンツが必要不可欠です。しかし、多くの現場ではコンテンツ制作のリソースが足りず、メール配信が滞り、商談につながらないケースが散見されます。
本記事では、MAツールとコンテンツマーケティングを組み合わせ、効率的に商談を生み出すための実践的な手法を解説します。また、多くのマーケターを悩ませる「ネタ切れ」の解消法や、社内連携による効率的な運用体制についても詳しく紹介します。
なぜ今、BtoBで「MA×コンテンツマーケティング」の連携が不可欠なのか
BtoBの購買プロセスは長期化・複雑化しており、単発の広告や飛び込み営業だけでは成果が出にくくなっています。
ここで重要になるのが、コンテンツで見込み顧客を引きつけ、MAツールで適切なタイミングを見極める仕組みです。
関連記事:BtoBマーケティングとは?基礎から手法・フェーズ別戦略マップまで解説
MAツールにおけるコンテンツの役割
MAツールを導入する目的の多くは、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)です。
しかし、単に「定期的に連絡する」だけでは顧客の心は動きません。顧客が抱える課題に対し、解決策や有益な情報を提供することで初めて信頼関係が構築されます。
つまり、MAツールにおいてコンテンツとは、顧客とのコミュニケーションを成立させるための「言葉」そのものです。顧客の心を動かし、検討度を高めるのはコンテンツで、MAツールはそれを届ける手段にすぎません。
例えば、まだ情報収集段階の顧客に「今すぐ購入しましょう」という営業メールを送っても逆効果です。この段階では「業界動向のまとめ」や「基礎知識の解説記事」といったコンテンツをMAツールで届けることが、次のステップへ進んでもらうための適切なアプローチとなります。
関連記事:MAツールとは?機能・比較・選び方と活用事例を徹底解説
関連記事:リードナーチャリングとは?手法5選と実践の手順をBtoB事例で解説
「やりっ放し」のコンテンツ運用が招くリード質の低下
コンテンツマーケティングに取り組んでいても、MAツールと連携できていない場合、それは「やりっ放し」の状態と言えます。
ブログ記事を公開し、SNSで拡散してアクセス数が増えたとしても、「誰が」「どの記事を」「どのくらい熟読したか」が分からなければ、営業アプローチには活かせません。
MAツールを活用すれば、特定の「料金ページ」や「事例記事」を閲覧したホットリードを特定できます。これらを可視化せず、すべてのリードに一律の対応をしていると、関心度の高いホットリードへの対応が遅れると、競合に奪われてしまうリスクが高まります。
また、関心度の低いリードに強引な営業をかけてしまい、ブランドイメージを損なう原因にもなります。
ナーチャリングにおける「ネタ切れ」の原因と解決の方向性
ナーチャリングが失敗する最大の要因の一つが、配信するコンテンツの枯渇、いわゆる「ネタ切れ」です。
これは、無計画にコンテンツを作成していることや、コンテンツ制作をマーケティング部門だけで完結させようとしていることに起因します。
解決の方向性としては、以下の2点を意識する必要があります。
- 顧客の検討フェーズに合わせたコンテンツマップを作る(必要なものを必要な分だけ作る)
- 営業やカスタマーサクセスを巻き込み、現場の「生の声」をネタにする
次章からは、具体的な作成方法を解説します。
ナーチャリングのためのコンテンツ作成方法

企業側が発信したい情報をやみくもにコンテンツ化していくのでは、商談にはつながりませんし、リソースも無駄遣いです。
顧客目線で、商談化に必要なコンテンツに絞って作成することがポイントになります。当社でも実践している方法を解説します。
- ペルソナ・カスタマージャーニーマップを設定する
- 各検討フェーズごとに必要なコンテンツを洗い出す
- 不足しているコンテンツを作成する
- 顧客の反応をみて、コンテンツをブラッシュアップ
1.ペルソナ・カスタマージャーニーマップを設定する
まずは、「誰に」「どのような順序で」情報を届けるかを設計するために、ペルソナとカスタマージャーニーを作成しましょう。
BtoBの場合、決裁ルートが複雑なため、ペルソナは「担当者」だけでなく「決裁者」の視点も考慮する必要があります。
カスタマージャーニーは、以下の5つのフェーズで区切ると整理しやすくなります。
- 課題認知(課題に気づく): 「もしかして、うちのやり方って業務効率が悪い?」
- 情報収集(解決策を探す): 「効率化するにはどんな方法があるのだろうか」
- 絞り込み(解決策を絞り込む):「MAツールを導入するのがよさそうだ」
- 比較検討(製品を探す): 「A社とB社、C社に問い合わせてみよう」
- 導入決定(稟議を通す): 「A社がよさそうだけど、費用対効果やセキュリティはどうかな」
ペルソナ、カスタマージャーニーの詳しい作り方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事:BtoBペルソナ設計ガイド|企業・担当者別テンプレート&活用ステップ
関連記事:【BtoB向け】カスタマージャーニーマップの作り方:複数関係者×長期検討を可視化するテンプレート
2.各検討フェーズごとに必要なコンテンツを洗い出す
カスタマージャーニーの各フェーズで顧客が知りたがっている情報は異なります。
各検討フェーズの課題感に向けて、どのようなコンテンツがあったら次の検討フェーズに移ってもらえそうかを考えてみてください。
洗い出したのちには、自社に現在あるコンテンツを割り当ててみましょう。
例
フェーズ | 顧客の心理 | 必要なコンテンツ例 | 自社にあるコンテンツ例 |
|---|---|---|---|
課題認知 | 課題はなんとなくあるが、解決策は知らない | お役立ちブログ、業界トレンドレポート、用語解説 | マーケティング用語集 |
情報収集 | 解決策を知りたい、ノウハウが欲しい | ホワイトペーパー(入門編)、セミナー(入門編) | WP「MA導入の基礎ガイド」 |
絞り込み | 自社にあった解決策を選びたい | ホワイトペーパー(実践編)、セミナー(実践編) | なし |
比較検討 | 自社に合うか、他社とどう違うか知りたい | サービス資料、他社比較表、同業種・同じ課題感の導入事例 | 紹介資料 |
導入決定 | 失敗したくない、上司を説得したい | 料金表、ROIシミュレーション、導入フロー資料 | 料金表 |
3.不足しているコンテンツを作成する
手順2で「必要なコンテンツ」と「自社にあるコンテンツ」を見比べ、不足しているコンテンツを作成していきましょう。
ナーチャリングで重要なのは、顧客の関心を高めて比較検討フェーズ以降に進ませることです。現状ナーチャリングがうまくいかないと悩んでいるのであれば、ここで、検討を一歩前に進めるためのコンテンツが不足していることに気づくはずです。
4.顧客の反応をみて、コンテンツをブラッシュアップ
不足しているコンテンツを作成したら、MAツールのセグメントメールで対象者に送付したり、インサイドセールスが商談の進捗に合わせて送付するなど、ナーチャリングに活用しましょう。
ただし、これで終わりではありません。実際にリードの反応を見ながら、コンテンツをブラッシュアップすることが重要です。また、顧客の新たな課題に気づいたら、コンテンツを追加していくことも欠かさないようにしましょう。
MAツールを活用しコンテンツを届けてナーチャリングする方法

作ったコンテンツは、適切な方法で届けなければ意味がありません。MAツールの機能を活用した具体的なデリバリー手法を紹介します。
- メルマガで定期的な接点を持つ
- コンテンツと接点を持ったら、ステップメールで検討度の引き上げを狙う
- ISの個別アプローチで活用する
関連記事:【2025年版】MA機能一覧|自社に必要十分な機能がわかる見極め方
メルマガで定期的な接点を持つ
最も基本的かつ重要なのが、一斉配信やセグメント配信によるメルマガです。
BtoB商材は検討期間が長いため、顧客が「その気」になった瞬間に第一想起される必要があります。週に1回〜隔週程度、有益な情報を発信し続け、接点を維持しましょう。
ここでのポイントは、売り込みばかりにしないことです。「ブログの更新通知」や「セミナー案内」など、受け手にとってメリットのある情報を提供し続けることが、開封率維持のコツです。
関連記事:BtoBメルマガの作り方|成果を出す4ステップとコツ【実際のメルマガ本文も公開】
関連記事:メールマーケティングの始め方5ステップ!初心者でも成果を出すコツと例文
コンテンツと接点を持ったら、ステップメールで検討度の引き上げを狙う
資料ダウンロードやセミナー申し込みなど、顧客が何らかのアクションを起こした直後は、関心度が最も高まっているタイミングです。ここで「ステップメール」を活用します。
例:資料ダウンロード後のステップメール
- 直後(1通目): 御礼と資料ダウンロードURLの送付。
- 2日後(2通目): 資料の補足情報や、関連するブログ記事の紹介。「資料の内容で不明点はございませんか?」というフォロー。
- 5日後(3通目): 他社の成功事例や、「無料相談会」への誘導(ハードルが高い場合はセミナー案内)。
このように、あらかじめ設計したシナリオに沿ってコンテンツを自動的に届けることで、工数をかけずにリードの温度感を高めることができます。
関連記事:ステップメールとは?BtoBのシナリオ例とツールの選び方を解説
ISの個別アプローチで活用する
MAツールを使ったコンテンツマーケティングで最も強力なのが、「行動検知(ホットリード通知)」です。
例えば、「料金ページ」や「導入事例」といった重要なページを閲覧したリードをMAツールが検知し、即座にインサイドセールス(IS)に通知を送ります。
ISは、単に電話をかけるのではなく、「先ほど弊社の事例ページをご覧いただいていたようですが、似たような課題をお持ちですか?」といった仮説を持ってアプローチできます。閲覧履歴という事実に基づいたトークは、顧客にとっても「タイミングが良い」と感じられやすく、アポイント獲得率の向上に寄与します。
関連記事:インサイドセールス×MAツールで商談化率UP|活用法から体制作りまで徹底解説
ネタ切れを防ぐ!コンテンツアイデアの集め方

コンテンツ制作を継続する上で最大の敵である「ネタ切れ」。これを防ぐには、マーケティング部門の中だけで考えないことが重要です。
- マーケ・IS・営業の定例MTG(ネタ会議)を開催
- 既存コンテンツの再利用
- AIの活用
マーケ・IS・営業の定例MTG(ネタ会議)の開催
最も有効なネタ元は、「顧客の実際の質問」です。
営業やISと月に1回程度、定例ミーティング(ネタ会議)を開催しましょう。そこで以下の質問を投げかけてみてください。
- 「最近、商談でよく聞かれる質問は何ですか?」
- 「失注したお客様が気にしていた懸念点は何でしたか?」
- 「成約したお客様が『決め手』だと言っていたポイントはどこですか?」
これらに対する回答こそが、まさに今、他の見込み顧客も知りたいと思っているコンテンツのテーマです。「よくある質問」に対する回答を記事化すれば、営業ツールとしても活用でき、一石二鳥です。
既存コンテンツの再利用
ゼロから新しいものを作る必要はありません。既存の資産を形を変えて再利用しましょう。
例
- セミナー動画 → ブログ記事・ホワイトペーパー化: セミナーの内容を文字起こしして整えるだけで立派な記事になります。
- ホワイトペーパー → メルマガ連載: 全30ページのホワイトペーパーを、5回分のメルマガに分割して配信します。
- 営業資料 → 比較記事: 営業が使っている提案資料の一部(機能一覧など)をWebコンテンツとして公開します。
AIの活用
どうしてもアイデアが出ない、書く時間がない場合は、AIを活用するのも有効な手段です。
HubSpotやferret One for MAなど、最近ではMAツール自体に、AIによるコンテンツ作成支援機能が搭載されているものがあります。
例えば、入力したテーマに基づいてブログの構成案を出してもらったり、メールの文面案を作成させたりすることで、作業時間を大幅に短縮できます。
よくある失敗と対策(Q&A)
MAとコンテンツマーケティングに取り組む際によくある失敗と、その対策をQ&A形式で解説します。
Q. | コンテンツ制作のリソースが足りない場合は? |
|---|---|
A. | 量を追わず質と再利用を重視しましょう。月1本でも顧客の課題を深く解決する記事があれば十分です。 社内リソースが足りない場合は、コンテンツ制作代行サービスを利用するのも選択肢となります。 どうしても社内リソースで制作する必要がある場合は、直感的なノーコードCMSを活用してエンジニア不要で自社でサイト更新できる環境を整備したり、AIを活用してコンテンツ制作の壁打ちやたたき台を作ってもらったりするなど、できるだけ工数を減らす工夫をしてみましょう。 |
Q. | MAツールのスコアリングが機能していない気がするのですが? |
|---|---|
A. | スコアの高さだけで判断せず、「重要なページの閲覧」(行動検知)を重視してみてください。 「メール開封1点、Web訪問3点」と積み上げた合計点だけを見ても、顧客の意図は読み取れません。 スコアはあくまで目安とし、「料金ページを見た」「解約規定を見た」といった特定の重要なアクションをトリガーに、ホットリードと認定する運用の方が、BtoBでは成果が出やすい傾向にあります。 |
Q. | 記事を読んでいるのに商談化しない理由は? |
|---|---|
A. | コンテンツの内容が「潜在層向け」に偏っている可能性があります。 「○○とは?」といった用語解説や、業界の一般論などの記事ばかりが読まれている場合、その顧客はまだ情報収集段階(勉強中)かもしれません。 商談化を目指すなら、「比較・検討フェーズ」のコンテンツ(事例、比較表、具体的なノウハウ)への導線を記事内に設置し、そこへ誘導できているかを確認してみてください。MAツールの分析機能を使って、どのコンテンツがコンバージョンに寄与したかを分析することも重要です。 |
まとめ
「コンテンツがないからMAツールが活用できない」と諦めるのではなく、まずは社内にある営業資料や顧客の声からコンテンツ化することから始めてみてください。
そして、作成したコンテンツをMAツールで適切なタイミングで届け、その反応を分析して次のアクションにつなげる。このサイクルを回すことこそが、商談数を最大化する確実な道筋となります。
本記事で紹介したフェーズごとのコンテンツ設計や、営業連携によるネタ作りがお役に立ちましたら幸いです。
なお、「MAツールを導入したいが、コンテンツ制作や運用リソースに不安がある」「Webサイト(CMS)とMAが分かれていて管理が煩雑だ」という課題をお持ちの場合は、BtoB向けMAツール「ferret One for MA」も選択肢の一つとしてご検討ください。
MA機能だけでなく、サイト制作ができるCMS機能が一体となっているのが特徴です。外部の制作会社に依頼することなく、マーケター自身がLPやフォームをサクサク作成できるため、コンテンツ不足による運用の停滞を防ぎます。
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