【2025年版】MA機能一覧|自社に必要十分な機能がわかる見極め方


MAツールを導入したいけれど、機能が多すぎて自社に何が必要なのかわからない
各社のサイトを見ても専門用語ばかりで、結局どのツールが最適なのか判断できない
MAツールの多機能さゆえに、ツール選定の段階でこのような悩みを抱えているマーケティング担当者の方は非常に多いのではないでしょうか。
「多機能なMAツールを導入したものの、結局はメルマガ配信にしか使っておらず、高額な利用料が無駄になってしまった」という失敗談は後を絶ちません。
大切なのは、機能の多さや有名さで選ぶのではなく、自社のマーケティング課題を解決するために「必要十分な機能」が「誰でも使いこなせる」形で備わっているかを見極めることです。
この記事では、MAツールの主要な機能一覧から、自社の課題や事業フェーズに合った機能の見極め方、そして機能面以外で比較すべき重要な選定ポイントまで、BtoBマーケターの視点から網羅的かつ分かりやすく解説します。数ある選択肢の中から自社に最適なMAツールを選び抜き、導入後の失敗を防ぐための具体的な道筋が見えるはずです。
MA機能マップ|3フェーズ×8機能の全体像
MAツールの多岐にわたる機能を理解するために、まずはマーケティング活動のフェーズに沿って全体像を掴みましょう。
BtoBマーケティングは大きく「リード獲得」「リード育成」「リード選別」の3つのフェーズに分けられます。MAツールは、これらの各フェーズを効率化・自動化するための機能を備えています。
関連記事:MAツールとは?機能・比較・選び方と活用事例を徹底解説
リード獲得:LP(ランディングページ)・フォーム作成、Webサイトの行動追跡
このフェーズの目的は、自社の見込み顧客(リード)となりうる個人や企業の情報を獲得することです。
MAツールは、Webサイトを訪れた匿名のユーザーに個人情報を登録してもらうためのLP(ランディングページ)・フォームを簡単に作成する機能や、サイト内での行動を追跡する機能を提供します。
これにより、誰が、いつ、どのページに興味を持ったのかを把握することができます。
リード育成:メール配信、シナリオ作成(ステップメール)
獲得したリードをすぐに商談化できるわけではありません。
多くの場合、継続的な情報提供を通じて関係性を構築し、購買意欲を高めていく「リードナーチャリング(育成)」のプロセスが必要です。
MAツールは、メールの一斉配信はもちろん、ユーザーの属性や行動に合わせて段階的にメールを送るステップメール(シナリオ配信)などの自動化の仕組みで、効率的なリード育成を実現します。
リード選別:ホットリード抽出(スコアリング・行動検知)
育成したリードの中から、特に購買意欲が高い「ホットリード」を見つけ出し、営業部門へ引き渡すのがこのフェーズです。
MAツールは、Webサイトへのアクセス頻度や特定のページの閲覧、メールの開封・クリックといった行動履歴に基づき、見込み顧客の興味関心度合いを点数化する「スコアリング」や、特定の行動(料金ページの閲覧など)を取ったリードを検知する「行動検知」機能を備えています。これにより、営業担当者は確度の高いリードに集中してアプローチできます。
横断:SFA/CRM連携、レポート・分析機能
上記の各フェーズを支える土台となるのが、SFA/CRMとの連携機能やレポート・分析機能です。SFA/CRMと連携することで、マーケティング部門と営業部門が顧客情報を一元管理し、シームレスな連携を図れます。
また、各種施策の効果を可視化するレポート機能は、データに基づいた改善活動(PDCA)を回す上で不可欠です。
【機能一覧】MAツールでできることとは?主要8機能を徹底解説
それでは、先ほどの機能マップでご紹介した8つの主要機能について、それぞれ具体的にどのようなことができ、どう役立つのかを詳しく見ていきましょう。
リード管理(顧客情報の一元管理)
メール配信 ホットリード抽出(スコアリング・行動検知)
シナリオ作成(ステップメール)
Webサイトの行動追跡
LP(ランディングページ)・フォーム作成
レポート・分析機能
SFA/CRM連携
リード管理(顧客情報の一元管理)
リード管理は、MAツールの最も基本的な機能です。展示会で交換した名刺情報、Webサイトのフォームから登録された情報、セミナー申込者のリストなど、様々な経路で獲得した見込み顧客の情報を一つのデータベースに集約し、管理します。
主な機能
顧客情報のインポート/エクスポート、名寄せ(重複データの統合)、セグメンテーション(属性や行動に基づくグループ分け)、カスタム項目の設定
役割
- 顧客情報が点在する状況を防ぎ、データに基づいたマーケティング施策の立案が可能になります。
- 「業種」「役職」「過去の問い合わせ内容」などでリードをセグメント分けし、ターゲットに合わせたアプローチが実現できます。
メール配信
メール配信機能は、リード育成(ナーチャリング)の中核を担います。単なる一斉配信だけでなく、ターゲットに合わせてパーソナライズされたメールを送ることで、開封率やクリック率を高め、顧客とのエンゲージメントを深められます。
主な機能
メール作成・配信予約、開封/クリックなどの効果測定、A/Bテスト
役割
- メルマガや新着情報の配信を効率化し、継続的な情報提供を可能にします。
- A/Bテストによって効果的な件名やコンテンツを検証し、メールマーケティング全体の成果を向上させることができます。
ホットリード抽出(スコアリング・行動検知)
MAツールの価値を大きく左右するのが、ホットリードを抽出する機能です。見込み顧客の行動や属性に応じてスコア(点数)を付け、一定のスコアに達したリードを「確度が高い」と判断するスコアリングや、検討度が高いと思われる行動をとったらそのタイミングでアラートを出す行動検知が代表的です。
主な機能
スコアリングルールの設定、スコアに基づくリードのランク付け(例:料金ページ閲覧+5点、メールクリック+1点) 行動検知の設定、検知した際のアラート(例:「3日以内に価格ページを2回訪問した」など)
役割
- マーケティング部門から営業部門へ、質の高いリードを安定的に供給できるようになります。
- 営業担当者が確度の低いリードへの無駄なアプローチをしてしまうことを減らせるので、コア業務である商談に集中できるようになります。
関連記事:営業に喜ばれるホットリードとは?自社に合う作り方・見つけ方・育て方
関連記事:スコアリングとは|仕組み・設計・効果測定まで徹底解説
シナリオ作成(ステップメール)
シナリオ作成機能は、あらかじめ設定したストーリーに沿って、メール配信などのアクションを自動で実行する機能です。「特定の資料をダウンロードした3日後に活用事例メールを送り、さらにその5日後に関連セミナーの案内を送る」といった、段階的なコミュニケーションを自動化します。
主な機能
トリガー(シナリオ開始のきっかけ)設定、アクション(メール配信、リスト移動など)設定、待機時間の設定、シナリオの分岐設
役割
- 見込み顧客一人ひとりの興味関心に合わせた、きめ細やかなフォローを自動化できます。
- マーケティング担当者の手作業を削減できるため、より戦略的な業務に時間を割けるようになります。
関連記事:MAシナリオとは?その設計、本当に必要?失敗しないための判断基準
Webサイトの行動追跡
自社のWebサイトを訪れたリードが、「いつ」「どのページを」「どれくらいの時間」閲覧したかを追跡・記録する機能です。見込み顧客の興味関心を把握するための貴重な情報源となります。
主な機能
Cookieを利用した個人識別、アクセスログの記録
役割
- 見込み顧客の具体的なニーズや検討状況を可視化し、顧客解像度を高めます。
- 営業担当者がアプローチする際に、「〇〇のページをご覧いただいていましたが」と具体的な情報に基づいた会話ができるため、商談の質向上が期待できます。
LP(ランディングページ)・フォーム作成
リードを獲得するための入り口となるLPやお問い合わせフォームを作成する機能です。専門知識がなくても、直感的な操作でページを作成できるツールが増えています。
主な機能
LP作成(ノーコード/ローコードのページエディタ)、LPテンプレート、フォーム作成
役割
- Web制作会社に依頼することなく、マーケティング部門内でLP作成ができるようになります。
- キャンペーンごとにLPを量産できる体制が整うため、A/Bテストを繰り返すことで、コンバージョン率を最大化していくことができます。
レポート・分析機能
実行したマーケティング施策の効果を測定し、改善につなげるための機能です。メールの開封率やWebサイトのアクセス数といった基本的な指標から、施策ごとのコンバージョン数まで、多くのデータを可視化します。
主な機能
ダッシュボード、メール配信結果レポート、Webアクセス解析、コンバージョンレポート、流入経路分析
役割
- 勘や経験に頼らない、データドリブンな意思決定が可能になります。
- 施策のボトルネックを特定し、ROI(投資対効果)を改善していくためのインサイトを得られます。
SFA/CRM連携
営業部門が利用するSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)とデータを連携させる機能です。MAで獲得・育成したホットリードの情報をSFA/CRMに自動で引き渡し、営業活動の進捗をMA側で把握することも可能になります。
主な機能
API連携、特定ツールとの連携
役割
- マーケティング部門と営業部門の情報分断を防ぎ、一貫した顧客対応を実現します。
- 失注した顧客をMAの育成シナリオに戻すなど、部門間のスムーズな連携によって機会損失を防ぎます。
【課題・フェーズ別】自社に必要なMA機能を見極める4つのステップ
ここまでMAの主要機能を紹介してきましたが、「結局、自社にはどの機能が必要なのか?」と迷われる方も多いでしょう。ここでは、自社の状況に合わせて必要な機能を見極めるための、簡単な3つのステップをご紹介します。
自社の事業フェーズを定義する
担当者のスキルレベルを定義する
マーケティング/営業のボトルネックを特定する
必須機能マッピング表で必要な機能を洗い出す
ステップ1:自社の事業フェーズを定義する
まず、マーケティング活動が現在どのフェーズに重点を置いているかを明確にします。 実はMAツールの導入自体が時期尚早というケースもあるのです。自社がどちらのフェーズが見極めましょう。
【リード獲得期】
保有リード数が少ない(5,000件以下)
- 状況・課題
保有しているリードの数がまだ少なく、最優先の課題はリードの母数を増やすことです。この段階では、Webサイトやブログ、ホワイトペーパーといった、継続的にリードを獲得するための「受け皿」となるコンテンツが十分に整備されていないケースが多く見られます。そのため、育成を主目的とするMAツールを単体で導入しても、効果を最大化できない可能性があります。 - 解決策・重視すべき機能
MAツールの導入を急ぐよりも、まずはサービスサイトを整えたり、コンテンツを作成したりとリード獲得施策に注力することの方が先決です。ただ、少ないリードでもナーチャリングしていきたいという場合におすすめなのは、CMSと、MAが一体となったツールです。ferret One for MAやHubSpotがそうしたツールに当たります。まずはCMS機能でリード獲得の基盤を固め、リード数が増加するのに合わせてMA機能を本格的に活用していくことで、事業の成長に合わせた効率的なマーケティング活動が可能になります。
【リード育成期】
保有リード数が多く(5,000件以上)、新規リードを安定的に獲得できている
- 状況・課題
ある程度のリード数は保有しているが、商談につながる案件が少ないという状況であれば、休眠リードの掘り起こしや、顧客単価の向上が課題となります。 - 解決策・重視すべき機能
メール配信機能、シナリオ作成機能、ホットリード抽出機能など、リードの質を高め、商談化率を上げるための機能が求められます。
ステップ2:担当者のスキルレベルを定義する
次に、MAツールを主に利用する担当者やチームのスキルレベルを定義します。
以降のステップで必要な機能を洗い出しますが、そもそも担当者が使いこなせるかを判断できるようになります。MAは導入して終わりではなく、「使いこなす」ことが成果につながるため、この視点は非常に重要です。
【初心者・兼任レベル】
MAを使うのが初めて、またはマーケティング担当者が少数で他業務と兼任しており、ナーチャリング業務に割けるリソースが少ない。HTMLなどの専門知識はない。
重視すべきポイント
できるだけ少ない工数で効率的に成果を出していく必要があります。そのため、ツール自体の設定の簡単さやサポート体制を重視しましょう。
- 直感的な操作性(UI/UX):マニュアルを熟読しなくても、感覚的に使えること。
- シンプルな機能:複雑な設定が不要で、すぐに使い始められること。
- 手厚いサポート体制:ツールの使い方だけでなく、施策の相談にも乗ってくれること 。
【中級~上級・専任レベル】
マーケティング専任の担当者がおり、過去にMAや類似ツールの利用経験がある。
重視すべきポイント
思い描く施策を形にするべく、細かいカスタマイズができるような機能を重視しましょう。
- カスタマイズ性:基本的な機能に加え、自社の戦略に合わせてある程度シナリオやスコアリングのルールを調整できる柔軟性。
- データ連携:SFA/CRMとスムーズに連携し、より深いデータ分析ができること。
ステップ3:マーケティング/営業のボトルネックを特定する
次に、日々の業務の中で「時間や手間がかかっている」「成果が出ていない」と感じる、具体的なボトルネックを洗い出します。
ボトルネックの例
- メルマガ配信のリスト作成と配信作業に毎月10時間もかかっている
- セグメント配信したいが、設定方法が難しく結局一斉送信している
- スコアリングの調整ができず、形骸化している
- 営業担当が確度の低いリードにも電話をかけており、疲弊している
- 展示会で獲得した名刺が、営業に活用されないまま放置されている
これらの課題を具体的にすることで、どのMA機能がその解決に直結するかが明確になります。
ステップ4:必須機能マッピング表で必要な機能を洗い出す
ステップ1〜3で明確になった自社の「事業フェーズ」「担当者のスキルレベル」「ボトルネック」を基に、具体的にどの機能が必要かを整理していきましょう。
これまでの情報を以下のようにマッピング表にまとめることで、自社に本当に必要な機能が可視化され、ツール選定の際の客観的な判断基準となります。
▼ MA必須機能マッピング表(記入例)
機能 | 優先度 | 導入目的・解決したいボトルネック | 担当者のスキルで使いこなせるか?(条件) |
|---|---|---|---|
リード管理 | 必須 | 展示会で獲得した名刺リストを一元管理したい | CSVによるインポートができること |
メール配信 | 必須 | メルマガ配信の作業工数を月10時間削減したい | HTML知識がなくても、見たまま編集でメールが作れること |
LP・フォーム作成 | 必須 | Web広告用のLPを内製でスピーディーに作成したい | パワーポイントのような感覚で、ノーコードで作成できること |
ホットリード抽出(行動検知) | 必須 | 営業担当の疲弊を防ぎ、確度の高いリードを供給したい | 複雑なスコアリング設定が不要で、すぐに検知を開始できること |
シナリオ作成 | あると嬉しい | 休眠顧客を自動で掘り起こしたい | シンプルな設定でステップメールが組めること |
SFA/CRM連携 | あると嬉しい | 現在利用中のSFAと顧客情報を同期させたい | 連携設定が簡単で、サポートが受けられること |
サポート体制 | 必須 | MA運用で不明点が出た際に、すぐに解決したい | ツールの使い方だけでなく、施策の壁打ちにも乗ってくれること |
【使い方】
- 優先度:自社の状況に合わせて「必須」「あると嬉しい」「不要」などを記入します。
- 導入目的:ステップ3で洗い出したボトルネックの中から、その機能を導入することで解決したい課題を具体的に記入します。
- スキル条件:ステップ2で定義した担当者のスキルレベルでも使いこなせるように、ツールに求める条件(例:「ノーコードで使える」「テンプレートが豊富」など)を記入します。
このマッピング表が完成すれば、それが貴社独自の「MAツール要件定義書」となります。
この表を基に各社のツールを比較検討することで、機能の多さや価格だけで判断するのではなく、自社の課題解決に本当に貢献してくれるMAツールを選び抜くことができるでしょう。
機能だけで選ぶと失敗する!MAツール選定で比較すべき5つの重要ポイント
自社に必要な機能が明確になったら、いよいよ具体的なツール選定に入ります。しかし、ここで注意したいのが、「機能の多さ」だけでツールを選んでしまうことです。
多機能なツールは一見魅力的に見えます。しかし、ここまでも解説してきた通り、使いこなせなければ意味がありません。ここでは、機能面以外に必ず比較検討すべき5つの重要なポイントを解説します。
機能の網羅性より「使いこなせるか」(UI/UXと運用負荷)
他ツールとの「連携性(APIの豊富さ)」
導入後の「サポート体制」の手厚さ
機能と価格のバランスが取れた「料金体系」
自社の事業規模に合ったツールの分類
ポイント1:機能の網羅性より「使いこなせるか」(UI/UXと運用負荷)
最も重要なのは、マーケティング担当者がストレスなく直感的に操作できるかどうかです。多機能であっても、設定が複雑だったり、操作画面が分かりにくかったりすると、運用負荷がかかり、それだけ工数をかけなければなりません。特定の担当者しか使えない「属人化」を招く恐れもあります。
チェックポイント
- マニュアルを見なくても、ある程度の操作が可能か?
- 設定に時間はかからないか?
- 無料トライアルやデモ画面で、実際に操作感を試してみてどうだったか?
- 専門知識(HTML/CSS、プログラミングなど)がなくても可能か?
ポイント2:他ツールとの「連携性(APIの豊富さ)」
MAツールは単体で完結するものではなく、SFA/CRMやオンライン名刺管理ツール、Web会議システムなど、様々な外部ツールと連携することで真価を発揮します。自社で既に利用しているツールや、将来的に導入を検討しているツールとスムーズに連携できるかを確認しましょう。
チェックポイント
- 自社で利用中のSFA/CRMとの連携実績はあるか?
- API連携が可能か?その仕様は公開されているか?
- どのような外部ツールとの連携に対応しているか?
ポイント3:導入後の「サポート体制」の手厚さ
ツールの導入後、必ず操作方法の疑問や技術的な問題が発生します。特に初めてMAを導入する場合、ツールの使い方だけでなく、「どのようなシナリオを組めば良いか」「どんなコンテンツを配信すれば効果的か」といったマーケティング施策そのものに関する相談ができると心強いでしょう。
チェックポイント
- 問い合わせ方法(電話、メール、チャット)と対応時間は?
- ツールの使い方だけでなく、マーケティング施策の相談にも乗ってくれるか?
- オンライン勉強会やユーザーコミュニティなどの学習機会は提供されているか?
ポイント4:機能と価格のバランスが取れた「料金体系」
MAツールの料金体系は、主に「月額料金」と、リード数やメール配信数に応じた「従量課金」で構成されています。自社の保有リード数や今後の増加見込み、メールの配信頻度などを考慮し、コストパフォーマンスに優れたツールを選びましょう。
- チェックポイント:
- 初期費用と月額費用はいくらか?
- 料金プランは何を基準に決まるか?(リード数、機能、ユーザー数など)
- 将来的にリード数が増えた場合、料金はどのように変動するか?
ポイント5:自社の事業規模に合ったツールの分類
MAツールは、その機能や価格帯から、大きく3つのタイプに分類できます。自社の事業規模やマーケティング体制に合ったタイプを選ぶことが、導入成功の鍵となります。
- 低価格・シンプル型:必要十分な機能に絞られており、価格が手頃で操作も簡単。コストパフォーマンスよく効率的に成果を上げたい企業やスモールスタートしたい企業向け。
- 多機能・高価格帯:機能が非常に豊富でカスタマイズ性も高いが、価格も高く、使いこなすには専門知識が必要。
- 特定機能特化型:特定の機能(例:匿名リードへのアプローチ)に強みを持つ。目的が明確な場合に有効。
次の章で、これらのタイプごとの特徴と代表的なツールを詳しく解説します。
タイプ別ツール選び|低価格・シンプル/多機能・高価格/特定機能特化
MAツールを3つのタイプに分け、それぞれの向き不向きと代表的なツールを紹介します。自社がどのタイプに当てはまるかを考えながらご覧ください。
低価格・シンプル型の向き/不向き
多機能・高価格帯の向き/不向き
特定機能特化型の向き/不向き
低価格・シンプル型の向き/不向き
向いている企業
- 初めてMAを導入する企業。
- マーケティング担当者が少数、または他業務と兼任している。
- MAの設定に工数をかけず、日々の業務を効率的に進めたい。
- 複雑な機能よりも、誰でも使える「簡単さ」を重視。属人化を防ぎたい。
代表的なツール
- ferret One for MA:BtoBマーケティングに必要な機能を厳選。CMS一体型でLPやコンテンツを簡単に作成できるのが最大の強み。手厚いサポートで導入後も安心です。
- BowNow:低価格から始められ、フリープランも用意されているため、導入のハードルが低いのが特徴です。
多機能・高価格帯の向き/不向き
向いている企業
- 専任のマーケティング部門があり、MA運用の専門知識を持つ人材がいる。
- リード数が数十万件以上と大規模。
- 複雑なシナリオ設計や高度な分析を駆使し、マーケティングしたい。
代表的なツール
- Account Engagement (旧Pardot):Salesforceとの連携が非常に強力で、営業とマーケティングの連携を重視する企業に向いています。
- HubSpot:CRMを中心に、CMS/MA/SFAを追加できるプラットフォームです。無料プランから使え、機能拡張できるため、事業成長とともに使い続けられます。
特定機能特化型の向き/不向き
向いている企業
- 「Webサイトに来る匿名の見込み顧客にアプローチしたい」など、特定の課題が明確。
- 既存のシステムと組み合わせ、特定の機能を強化したい。
代表的なツール
- SATORI:匿名の「アンノウンマーケティング」に強みを持ち、Webサイト訪問者へのポップアップ表示など、リード獲得前の接点構築が得意です。
- Adobe Marketo Engage:カスタマイズ性が非常に高く、パーソナライズに強みを持つMAツールです。大規模かつ複雑なマーケティング活動に対応できます。
代表ツール一覧と比較表(価格/主機能/連携/サポート)
これまで紹介したMAツールの特徴を一覧表にまとめました。自社の要件と照らし合わせながら比較検討してください。
関連記事:【2025年版】MAツール比較|タイプ別の選び方を徹底解説
ツール名 | 特徴 | 初期費用/月額費用 | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|---|
BtoB特化のCMS/MA一体型。コンテンツ作成から育成・検知までをカバー。ユーザー数無制限の料金体系。 | 3万円 / 8万円〜 | 設定が簡単で、リーズナブルなMAを導入したいBtoB企業。 | |
無料プランがある。 | 10万円 / 6万円〜 | まずは無料でMAを始めたい企業。 | |
Account Engagement (旧Pardot) | Salesforceとの強力な連携。高度なスコアリングとシナリオ設計が可能。 | 300万〜 / 15万 | Salesforceを全社で活用しており、営業とマーケティングの連携を強化したい企業。 |
CRMにMAやCMS、SFAなど複数の機能を追加できる。 | なし / 9.6万〜 | CRM基盤から構築し、一気通貫で顧客管理を行いたい企業。 | |
パーソナライズに強みがあり、カスタマイズ性が高い。 | 300万〜 / 30万〜 | 興味・関心にあったコンテンツを出し分けたいなど、パーソナライズを強化したい企業 | |
匿名リードへのアプローチが可能。 | 30万 / 14.8万〜 | Webサイトのトラフィックは多いが、リード獲得に課題を持つ企業。 |
※料金や機能は変更される可能性があるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
【稟議用】MA導入の費用対効果(ROI)を算出する方法とテンプレート
MAツールの導入には、当然ながらコストがかかります。
社内の決裁を得るためには、「なぜMAが必要なのか」という定性的な説明だけでなく、「導入によってどれだけの利益が出せるのか」を定量的に示すことが不可欠です。ここでは、MA導入の費用対効果(ROI)を算出するための基本的な考え方とシミュレーション例をご紹介します。
ROI算出の基本計算式
ROIは、投資したコストに対してどれだけの利益が生まれたかを示す指標です。基本的な計算式は以下の通りです。
ROI (%) = (MA導入による利益増加額 - 投資コスト) ÷ 投資コスト × 100
「利益増加額」には、売上の増加だけでなく、業務効率化によるコスト削減額も含まれます。
シミュレーション1:商談化率向上による利益増の試算
MAを導入し、ホットリードを効率的に営業へ引き渡すことで、商談化率の向上が期待できます。
前提条件
- 月間獲得リード数: 100件
- 平均顧客単価:50万円
- 粗利率:40%
- 受注率:20%
- 現状の商談化率:10%
現状の月間利益
- 月間商談数:100件 × 10% = 10件
- 月間受注数:10件 × 20% = 2件
- 月間売上:2件 × 50万円 = 100万円
- 月間利益:100万円 × 40% = 40万円
MA導入後の予測 (商談化率が15%に向上した場合)
- 月間商談数:100件 × 15% = 15件
- 月間受注数:15件 × 20% = 3件
- 月間売上:3件 × 50万円 = 150万円
- 月間利益:150万円 × 40% = 60万円
この場合、MA導入によって 月間20万円 (年間240万円)の利益増加 が見込めます。
シミュレーション2:業務効率化によるコスト削減額の試算
これまで手作業で行っていた業務をMAで自動化することで、人件費を削減できます。
前提条件
マーケティング担当者の時給:3,000円
削減対象業務と時間
- メルマガ配信リスト作成・配信作業:10時間/月
- 施策レポート作成:5時間/月
- リード情報のSFAへの手入力:5時間/月
- 月間コスト削減額削減時間合計:10 + 5 + 5 = 20時間/月コスト削減額:20時間 × 3,000円 = 6万円/月
この場合、MA導入によって 年間72万円のコスト削減 が見込めます。
【無料ダウンロード】MAツール導入・移管効果試算ワークシート
MAツール導入時の費用対効果(ROI)を算出するためのテンプレートをご用意しました。
自社の数値を入力するだけで、工数削減や売上貢献のインパクトを定量的に示すことができ、社内提案や稟議の説得力ある根拠データとしてそのまま活用できます。
▼「MAツール導入・移管効果試算ワークシート」をダウンロードする
導入後に後悔しないために。MAのよくある失敗例と具体的な対策
最後に、MA導入で陥りがちな失敗例と、それを避けるための具体的な対策を3つご紹介します。導入前にこれらのポイントを押さえておくことで、MAの価値を最大限に引き出すことができます。
失敗例1:「機能が多すぎて使いこなせない」
「高機能なツールを導入したものの、設定の複雑さや操作の難しさから、結局メルマガの一斉送信配信機能しか使っていない」など、一部機能しか使えていないケースです。高額な月額費用を払い続けることになり、費用対効果が著しく低下します。
対策
- 自社のスキルレベルとリソースに合ったツールを選ぶ
背伸びせず、まずはシンプルで使いやすいツールから始めるのが成功の秘訣です。 - サポート体制を重視する
導入後のトレーニングや、施策の相談に親身に乗ってくれるベンダーを選びましょう。 - 無料トライアルやデモで操作性を必ず確認する
契約前に実際の画面を触り、チームの誰もが使えそうかを確認することが重要です。
失敗例2:「配信するコンテンツがない」
MAはあくまで「自動化する仕組み」であり、見込み顧客に届けるコンテンツ(メルマガ、ブログ記事、ホワイトペーパーなど)がなければ何もできません。ツールを導入したものの、配信するコンテンツの制作が追いつかず、宝の持ち腐れになってしまうケースです。
対策
- 導入前にコンテンツの棚卸しと計画を行う
既存の資料(製品カタログ、導入事例など)をMAで配信できる形に整理し、今後どのようなコンテンツが必要かを計画しておきましょう。 - コンテンツ作成機能が充実したツールを選ぶ
CMS機能のあるMAツールのように、ノーコードでLPやブログ記事を作成できる28ツールであれば、コンテンツ制作のハードルが大きく下がります。 - AIを活用する
生成AIでコンテンツ制作の工数を削減するのも方法の1つです。 今では、AI機能が標準搭載されているMAツールも多くなっています。 例えば、当社のMAツール「ferret One for MA」もURLを入力するだけでメール文面を自動生成してくれる機能があります。 こうしたMA搭載のAIのメリットは、プロンプトがあらかじめ最適化されていることです。AIを使い慣れていない場合でもクオリティの高いコンテンツを制作できます。
失敗例3:「スコア運用が形骸化してしまった」
スコアリングを導入したものの、「どのような行動に何点を付けるべきか」というルール設計が難しく、試行錯誤の末に放置されてしまうケースです。結果として、営業部門からは「スコアがアテにならない」と信頼されなくなり、部門間の連携も悪化します。
対策
- シンプルなルールから始める
最初から複雑なルールを設定するのではなく、「料金ページの閲覧」「お問い合わせフォームの入力」など、明らかに確度の高い行動に絞ってスコアリングを始めましょう。 - 定期的に営業部門とすり合わせを行う
スコアが高いにも関わらず失注した案件や、スコアは低いが受注につながった案件などを定期的にレビューし、スコアリングのルールを継続的に改善していくことが重要です。 - 行動検知機能でホットリード抽出できるMAツールを選ぶ
ホットリード抽出はなにもスコアリングだけしかできないわけではありません。
特にBtoBの場合は、会社の都合で急に検討度が上がることもしばしば。スコアが蓄積したころには、他社に決まっていたということも少なくありません。そのため、スコアリングではなく、よりシンプルにホットリードを見つけられる行動検知機能のあるMAツールを選ぶというのも有効なのです。
まとめ:自社の課題解決に必要なMA機能を見極め、成果を最大化しよう
MAツールは機能の多さに惑わされることなく、「自社の課題は何か」「その解決に本当に必要な機能は何か」「担当者は使いこなせるのか」という原点に立ち返って、ツールを見極める視点が不可欠です。
- 機能一覧を参考に、MAで何ができるかを理解する。
- 自社のフェーズと課題を明確にし、必要な機能に優先順位をつける。
- 機能だけでなく、使いやすさ、連携性、サポート体制といった観点から総合的に比較する。
- よくある失敗例を学び、導入後の後悔を避ける。
これらのステップを踏むことで、きっと貴社に最適なMAツールが見つかるはずです。
もしあなたが、「多機能すぎるツールは使いこなせるか不安だ」「ツールの提供だけでなく、成果を出すためのノウハウやサポートも欲しい」とお考えなら、私たちが提供する「ferret One for MA」が力になれるかもしれません。ぜひご相談ください。







