BtoBペルソナ設計ガイド|企業・担当者別テンプレート&活用ステップ


ターゲット像が曖昧で、コンテンツや広告が本当に響いているか分からない
BtoBのペルソナって、どう作ればいい?企業単位なのか、担当者単位なのか
営業部門から『質の低いリードばかりだ』と言われるが、認識をどう合わせればいいんだ
BtoBのペルソナをBtoCと同じ感覚で作ろうとすると、必ず壁にぶつかります。BtoBでは、「企業」という組織の特性と、その中にいる「複数人の担当者(決裁者、情報収集者など)」の動機を、同時に考慮する必要があるからです。
この記事では、BtoBマーケティングに特化したペルソナの作り方を、具体的なステップとテンプレートを交えて徹底的に解説します。BtoCとの違いといった基礎知識、そして作成後の実務的な活用法まで、BtoBマーケターが知りたい情報を網羅しました。
この記事を読めば、曖昧だったターゲット像が明確になり、営業部門とも「共通言語」で話せる実用的なペルソナを作成・活用できるようになります。
BtoBペルソナとは? BtoCとの決定的な違い
BtoBマーケティング施策の第一歩として語られる「ペルソナ設定」。まずは、その基本的な定義と、混同されがちな「ターゲット」、そして「BtoCペルソナ」との明確な違いを整理します。
ペルソナとターゲット設定の違い

一言でいうと「ペルソナ」は、「ターゲット」をより詳細にしたものです。
ターゲット設定が「どのような層にアプローチするか」を決めるのに対し、ペルソナ設定は「その層の中の“この人”に響くメッセージは何か」を深く考えるための土台となります。
- ターゲット:「30代、製造業、マーケティング部門の課長」のように、特定の属性や条件で切り分けた「集団」を指します。
- ペルソナ:ターゲット集団の中から選び出した、「実在するかのような具体的な一人の人物像」を指します。その人物の業務上の役割、抱える課題、情報収集の方法、価値観、さらには人柄までを詳細に設定します。
BtoBペルソナの定義:企業と個人の2つの側面

BtoBペルソナの最大の特徴は、「企業」と「個人」という2つの側面を併せ持つ点です。BtoBの購買決定は、個人の感情だけでなく、企業の合理的な判断基準(予算、導入実績、既存システムとの相性など)に強く影響されるためです。
企業ペルソナ
どのような企業を対象とするかを定義します。業種、企業規模(売上高・従業員数)、所在地、組織構造、利用中の技術といった、企業の属性情報(ファ―モグラフィックス)が中心となります。
個人ペルソナ(担当者・決裁者)
その企業の中で、購買プロセスに関与する「個人」を定義します。
役職、部署、業務内容、抱えている課題、情報収集の手段、意思決定における役割(決裁者、担当者)といった、デモグラフィック情報や心理的要因(サイコグラフィックス)を含みます。
BtoBでは、この「企業ペルソナ」と「個人ペルソナ」をセットで設計することが極めて重要です。
関連記事:BtoBマーケティングとは?基礎から手法・フェーズ別戦略マップまで解説
BtoCペルソナとの3つの主な違い
BtoBペルソナとBtoCペルソナの違いは、購買行動の違いから生まれます。
- 判断基準が合理性か感情か?
BtoCは「デザインが可愛いから買う」など個人の趣味嗜好や感情的な動機が購買を左右しやすいのに対し、BtoBは「既存ツールと連携でき、かつ1年で初期投資が回収できる」など企業の課題解決や費用対効果(ROI)といった合理的な判断基準が最優先されます。
- 購入を決定するのは複数人(DMU)か個人か?
BtoCの購買決定は個人(または家族)で完結することがほとんどです。しかしBtoBでは、情報収集担当者、現場の利用者、システム管理者、経理担当者、そして最終決裁者(社長や役員)など、複数の人物(DMU:Decision Making Unit)が複雑に関与します。
- ペルソナのメイン構成は企業属性か個人属性か?
BtoCペルソナは年齢、性別、居住地、年収、ライフスタイルといった個人属性が中心です。一方、BtoBペルソナは前述の通り、まず「企業ペルソナ」という土台があり、その上に「個人ペルソナ」が乗る構造になっています。
比較項目 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
判断基準 | 企業の課題解決や費用対効果(ROI)といった合理的な判断基準(例:「既存ツールと連携でき、かつ1年で初期投資が回収できる」) | 個人の趣味嗜好や感情的な動機(例:「デザインが可愛いから買う」) |
購入決定者 | 複数の人物: 情報収集担当者、現場の利用者、システム管理者、経理担当者、最終決裁者など | 個人(または家族) |
ペルソナのメイン構成 | 企業属性(企業ペルソナ)+ 個人属性(個人ペルソナ)の2階層構造 | 個人属性(年齢、性別、居住地、年収、ライフスタイル) |
「ペルソナは古い/時代遅れ」という説は本当か?
近年、「ペルソナ設定は古い」「時代遅れだ」という意見を耳にします。背景には、顧客ニーズの多様化により単一のペルソナでは捉えきれなくなったこと、またデータドリブンなABM(特定の企業を狙い撃ちする手法)が主流になってきたことがあります。
この説は、BtoC領域や不特定多数にアプローチするBtoBマーケティングの一部では当てはまるかもしれません。
しかし、良質なリードを獲得し、営業と連携して商談化率を高めたいBtoBマーケティングにおいて、ペルソナの重要性はむしろ高まっています。
なぜなら、ABMを実行する際にも「その企業の(企業ペルソナ)」「誰に(個人ペルソナ)」「何を(課題と解決策)」伝えるかを定義する必要があるからです。ペルソナは、データドリブンなマーケティングにおいて顧客を正しく理解し、適切に施策を実行するための基準として機能します。
BtoBペルソナ設計の前提条件| 何を押さえておくべきか?

精度の高いBtoBペルソナを作成するために、設計に取り掛かる前に押さえておくべき3つの重要な前提条件を解説します。
- 企業ペルソナと個人ペルソナを使い分けよう
- 購買プロセスとDMU(決裁者・影響者)を理解しよう
- マーケティング部門と営業部門の「共通言語」と認識しよう
企業ペルソナと個人ペルソナを使い分けよう
前述の通り、BtoBペルソナは「企業」と「個人」の2階層で設計します。この2つは明確に目的が異なります。
- 企業ペルソナ
「アプローチすべき市場・企業を見極める」ために使います。広告のターゲティング、展示会の出展選定、営業のアタックリスト作成など、「どこに」リソースを投下するかを判断する基準となります。
- 個人ペルソナ(担当者・決裁者)
「その企業の担当者に響くメッセージを作る」ために使います。Webサイトのコンテンツ、ホワイトペーパーのテーマ、メールの文面、広告クリエイティブなど、「何を」「どのように」伝えるかを具体化する基準となります。
この2つをごちゃ混ぜにして「従業員500名で、課題意識が高いマーケティング課長」のように定義してしまうと、ターゲティングもメッセージングも中途半端になります。
まずは「どのような企業か」、次に「その企業にはどのような立場の人がいるか」と、分けて考えることが重要です。
購買プロセスとDMU(決裁者・影響者)を理解しよう
BtoBの購買プロセスは長く、複雑です。多くの場合、複数の部署や役職の人間が関与するDMUによって意思決定がなされます。
例えば、新しいMAツールを導入する場合、以下のようなDMUが想定されます。
情報収集者(マーケティング担当者)
課題(リードの質が低い)を感じ、解決策(MAツール)を探し始める。機能や価格を比較検討する。
利用者(マーケティング/営業現場)
実際にツールを使う立場から、「使いやすさ」「現場の業務に合うか」を評価する。
管理者(システム部門)
既存システムとの連携性や、セキュリティ面を技術的に評価する。
決裁者(マーケティング部長/役員)
導入コストと期待されるROI(費用対効果)を天秤にかけ、最終的な導入可否を判断する。
ペルソナを作成する際は、このDMUの存在を強く意識しなければなりません。例えば、情報収集者向けの「機能比較資料」だけでは、決裁者向けの「ROI試算資料」がなければ商談は進みません。
「企業ペルソナ」は1つでも、その中に存在する「個人ペルソナ」はDMUの役割に応じて複数作成する。これがBtoBペルソナ設計の核となります。
マーケティング部門と営業部門の「共通言語」と認識しよう
ペルソナは、マーケティング部門だけで使うものではありません。むしろ、マーケティング部門と営業部門の「ターゲット像」に関する認識のズレをなくすための「共通言語」として機能させることこそが、最も重要な目的の一つです。
マーケティングが「とにかく多くのリード(MQL)を獲得した」と評価しても、営業が「導入検討度が低い企業や、決裁権のない担当者からの問い合わせばかりだ」と感じていれば、成果にはつながりません。
ペルソナを作成するプロセス自体が、両部門のすり合わせの場となります。「どのような企業(企業ペルソナ)」の「どのような課題を持つ担当者(個人ペルソナ)」が、我々の「優良顧客」なのか。
これをデータとヒアリングに基づいて定義し、両部門で合意することで、マーケは質の高いリードを、営業は効果的なアプローチを実行できるようになります。
BtoBペルソナ作成の5ステップ

ここからは、BtoBペルソナを作成するための具体的な5つのステップを解説します。理想像や思い込みではなく、データと事実に基づいたペルソナを作成することが重要です。
- 情報収集(SFA/CRM分析とヒアリング)
- 「企業ペルソナ」の定義
- 「担当者ペルソナ」の定義
- ペルソナシートへの落とし込み
- マーケ・営業で合意形成
1.情報収集(SFA/CRM分析とヒアリング)
ペルソナ作成の土台となる情報を集めます。
最も信頼できる情報源は、自社の既存顧客データと、顧客に最も近い営業担当者の知見です。
SFA/CRMデータの分析
まずは既存の優良顧客(受注金額が高い、LTVが高い、契約継続率が高いなど)をリストアップします。SFAやCRMから、それらの企業の属性(業種、規模、地域)や、商談プロセス(キーマンの役職、導入の決め手、失注理由)を分析し、共通項を探します。
営業・CS部門へのヒアリング
分析したデータを基に、営業担当者やカスタマーサクセス(CS)担当者にヒアリングを行います。「どのような企業の、どのような担当者だと商談がスムーズか」「顧客が導入前に抱えていた具体的な課題は何か」「導入の決め手になった言葉は何か」など、現場の生々しい情報を収集します。※具体的なヒアリング項目は後述します
顧客インタビュー
最も価値があるのは、優良顧客への直接インタビューです。「なぜ他社ではなく当社を選んだのか」「情報収集段階で何に困っていたか」「社内の誰が導入に賛成/反対したか」など、当事者ならではのインサイトを得ることができます。
2. 「企業ペルソナ」の定義
「1.情報収集(SFA/CRM分析とヒアリング)」で収集した情報に基づき、ターゲットとすべき「企業像」を定義します。これは主にファーモグラフィックス(企業の属性情報)で構成されます。
- 業種・業界:特定の業界が対象か?
- 企業規模:従業員数や売上高はどのくらいか?
- 所在地:特定の地域の企業が対象か?
- 企業のミッション/特徴:(商材購入に影響するような)企業の特徴はあるか?
- 組織体制:どのような部署があるか?編成は?何人くらい所属しているか?
- 利用中のツール/技術:どのようなツールを導入しているか?活用レベルは?
- 企業の課題/ゴール:ビジネス上、どのような課題を抱えており、どのような理想を掲げているか?
3. 「担当者ペルソナ」の定義
「2.企業ペルソナの定義」で定義した企業の中にいる、「個人」を定義します。ここではDMU(意思決定関与者)を意識し、複数のペルソナを作成することが推奨されます。
最低でも、「情報収集の中心となる担当者(例:マーケティング実務担当者)」と「最終的な決裁者(例:マーケティング部長)」の2パターンは作成しましょう。
- 属性(デモグラフィックス):部署、役職、年齢、社歴、業務内容など
- 役割(DMUにおける):情報収集者、利用者、決裁者、影響者など
- 抱えている課題(業務上/個人的):業務上どのような課題を抱えているか?個人のミッション達成上の課題は?
- 情報収集の手段:Web検索(検索キーワード)、閲覧メディア、SNS、展示会、セミナーなど
- 価値観/ゴール:ビジネス上大切にしていることは?業務上のミッションは?
- 購買時の障壁(懸念点):商材導入にあたり、どのような不安があるか?
4. ペルソナシートへの落とし込み
「2.企業ペルソナの定義」「3.担当者ペルソナの定義」で定義した内容を、一覧できる「ペルソナシート」にまとめます。これは単なるメモではなく、後述する「5. マーケ・営業で合意形成」での合意形成や、施策実行時の参照資料として使用します。
顔写真や架空の氏名、背景となるストーリー(「〇〇社に入社して5年目。最近、Webマーケティングの担当になったが…」)などを加えると、よりリアリティが増し、顧客視点を持ちやすくなるため、施策の精度を上げることができます。
5. マーケ・営業で合意形成
ペルソナシートが完成したら、マーケティング部門と営業部門でレビューミーティングを必ず行います。
「このペルソナ像は、本当にターゲットとすべき顧客か?」「営業の肌感覚とズレていないか?」「このペルソナ(情報収集者)が決裁者を説得するために必要な材料は何か?」 こうした議論を交わします。
フィードバックを基にペルソナを修正し、最終的に「これが共通ターゲットである」という合意を形成します。
ペルソナの形骸化を防ぐ「更新のタイミング・方法」と「体制」
合意後は、そのペルソナを元にマーケティング部門・営業部門それぞれが施策を進め、実際の見込み顧客の反応を確認します。その情報をもとに定期的にペルソナを見直し、精度を高めていきましょう。
市場や顧客の課題、競合の動向は常に変化します。一度作成したペルソナも、時間とともに現実とズレ(陳腐化)が生じます。
ペルソナの形骸化を防ぐためには、定期的な見直しと更新が不可欠です。
- 更新のタイミング
最低でも半年に一度、または、新製品のリリース時、市場に大きな変化があった時(例:法改正、競合の大型買収など)、マーケティング施策の成果(CVRや商談化率)が著しく低下した時。
- 更新の方法
「1.情報収集(SFA/CRM分析とヒアリング)」に戻ります。SFA/CRMで最新の受注顧客データを分析し直し、営業・CS部門に「最近の顧客の傾向に変化はないか?」と再度ヒアリングを行います。
- 体制
マーケティング部門がオーナーシップを持ち、営業部門を巻き込んで定期的な「ペルソナ見直し会議」をカレンダーに組み込んでしまうのが有効です。
【テンプレート】BtoBペルソナシート&記入例
BtoBペルソナの作成にすぐに使えるペルソナシートのテンプレートと、情報収集のためのヒアリングシート(質問例)を紹介します。これらをベースに、自社の状況に合わせてカスタマイズしてご活用ください。
営業・顧客ヒアリング用 質問項目リスト
「1.情報収集(SFA/CRM分析とヒアリング)」の情報収集で、営業担当者や顧客にヒアリングする際の質問項目例です。
優良顧客(受注顧客)と失注顧客の両方に聞くことで、より解像度が高まります。
対象 | 質問カテゴリ | 質問項目例 |
営業担当者向け | 顧客の背景 | ・(受注したA社は)どのような課題で悩んでいましたか? |
導入プロセス | ・導入の「決め手」になった当社の強み(ひと言)は何でしたか? | |
担当者の特徴 | ・(キーマンの)口癖や、よく使っていた言葉はありますか? | |
営業担当者向け | 失注理由 | ・(失注したB社は)最終的になぜ他社を選んだ(または導入を見送った)と思いますか? |
顧客向け | 導入前の課題 | ・当社サービスを検討し始めたきっかけ(最も深刻だった課題)は何でしたか? |
選定プロセス | ・当社以外に、何社(どのようなサービス)を比較検討しましたか? |
企業ペルソナテンプレート&記入例
アプローチすべき「企業」の解像度を高めるためのテンプレートです。
【企業ペルソナ テンプレート】
項目 | 内容 |
|---|---|
企業名(架空) | 例:株式会社○○ |
業種・業界 | 例:製造業(電子部品) |
企業規模 | 例:従業員数 500名、売上高 300億円) |
所在地 | 例:関東圏 |
企業のミッション/特徴 | 例:老舗部品メーカーだが、近年は新規事業開発にも注力 |
組織体制 | 例:マーケティング部門が独立している、または営業企画部門が存在する |
利用中のツール/技術 | 例:SFA(ツール名○○)は導入済みだが、MAツールは未導入または簡易的なもののみ |
企業の課題・ゴール | 例:既存事業の売上横ばい。新規顧客開拓数が目標未達。 |
投資スタンス | 例:Webサイトはあるが放置気味。 |
なぜ当社を選ぶか? | 例:製造業向けの導入実績が豊富で、既存SFAと連携できるため |
担当者ペルソナテンプレート&記入例(役職別)
企業ペルソナの中に存在する「個人」のテンプレートです。DMUを意識し、役職や役割(例:実務担当者、決裁者)ごとに作成します。
【担当者ペルソナ テンプレート(担当者)】
項目 | 内容 |
|---|---|
顔写真 | イメージに合うフリー素材など |
氏名(架空) | 佐藤 健太 |
部署・役職 | 営業本部 営業企画課・主任 |
年齢・社歴 | 32歳・入社8年目(現部署2年目) |
業務内容 | ・営業資料の作成、データ集計 |
DMUでの役割 | 情報収集者・利用者 |
業務上の課題 | ・展示会で集めた名刺が活用できていない |
個人のゴール/価値観 | ・営業から「ありがとう」と言われる質の高いリードを渡したい |
情報収集の手段 | ・Web検索(「MAツール 比較」「BtoB リードナーチャリング」) |
購買時の懸念点(障壁) | ・「高機能すぎても使いこなせないのではないか」 |
刺さるメッセージ/コンテンツ | ・「シンプルな操作性」「導入サポートの手厚さ」 |
【担当者ペルソナ テンプレート(決裁者)】
項目 | 内容 |
|---|---|
顔写真 | イメージに合うフリー素材など |
氏名(架空) | 鈴木 一郎 |
部署・役職 | 営業本部・本部長 |
年齢・社歴 | 例:52歳・営業畑一筋25年 |
業務内容 | ・営業本部全体の予実管理 |
DMUでの役割 | 最終決裁者 |
業務上の課題 | ・営業全体の売上目標が未達(特に新規) |
個人のゴール/価値観 | ・(デジタルはよく分からんが)競合に遅れは取りたくない |
情報収集の手段 | ・業界紙、新聞 ・同業の役員クラスとの会食 |
購買時の懸念点(障壁) | ・「そんなツールに金を使って、本当に売上が上がるのか?」 |
刺さるメッセージ/コンテンツ | ・「営業の訪問効率を上げるためのツールである」という説明 |
BtoBマーケティングにおけるペルソナ活用法
ペルソナは「作って終わり」では意味がありません。マーケティング施策や営業活動に活用し、さらに市場の変化に合わせて更新し続けるプロセスが不可欠です。
- コンテンツマーケティング(SEO・ホワイトペーパー)への反映
- MAツールのセグメンテーションとシナリオ設計
- 営業資料・アプローチトークへの展開
コンテンツマーケティング(SEO・ホワイトペーパー)への反映
作成したペルソナは、コンテンツ制作の「企画書」のようなものです。
例えば、次のように施策に反映していくことができます。
- ペルソナ(情報収集者)が検索するキーワードは、そのままSEO記事の対策キーワードになります。(例:「MAツール 比較」)
- ペルソナ(情報収集者)が抱える課題は、ホワイトペーパーのテーマになります。(例:「営業に喜ばれるリード(MQL)の作り方」)
- ペルソナ(決裁者)の懸念点は、導入事例コンテンツで解消すべき項目になります。(例:「導入後3年でROI 200%を達成した〇〇本部長の声」)
ペルソナが明確であれば、「誰の」「何の課題」を解決するコンテンツかが明確になり、ターゲットに深く刺さるメッセージを発信できるのです。
関連記事:MA×コンテンツマーケティングで商談を増やす実践手法|ネタの集め方や活用法を解説
MAツールのセグメンテーションとシナリオ設計
MAツールを運用する上で、ペルソナはセグメント(配信リスト)とシナリオの設計基盤となります。
- 企業ペルソナ(業種、規模)でセグメントを切り分け、業界特有の課題に合わせたメールを配信 例:製造業セグメントに、製造業の導入事例集をメルマガで配信
- 担当者ペルソナ(役職、課題)に基づき、異なるシナリオを設計 例:情報収集者(佐藤主任)が「機能比較資料」をダウンロードしたら、次は「導入事例」や「操作デモ動画」を送る。 例:決裁者(鈴木本部長)の関心(ROI)を引くために、「費用対効果シミュレーション」や「競合導入実績」のメールを送る。
このように、ペルソナの検討段階や役割に応じて最適な情報を最適なタイミングで提供することが可能になります。
関連記事:セグメント配信とは|一斉配信から脱却するステップと成功事例
関連記事:MAシナリオとは?その設計、本当に必要?失敗しないための判断基準
営業資料・アプローチトークへの展開
ペルソナは商談時のトークスクリプト作成にも役立ちます。
マーケティング部門が獲得したリードが、どのペルソナ(企業・担当者)に該当するかをSFA/MAツールで可視化・共有しておけば、営業担当者はアプローチ前に「相手の課題」や「懸念点」を予測できます。
- 相手が「実務担当者(佐藤主任)」なら、機能の利便性やサポートの手厚さを中心に話す。
- 相手が「決裁者(鈴木本部長)」なら、ROIや競合実績のデータを提示する。
このように、ペルソナに基づいた「刺さるトーク」を準備することで、商談化率や受注率の向上が期待できます。
BtoBペルソナの典型的な失敗例と回避策
最後に、BtoBペルソナ設計で陥りがちな3つの典型的な失敗例と、それを回避するための対策を解説します。
- 理想化された「思い込みペルソナ」
- 形骸化する「社内非共有ペルソナ」
- 陳腐化する「放置ペルソナ」
理想化された「思い込みペルソナ」
「こうあってほしい」という理想像や、一部の目立つ顧客のイメージだけでペルソナを作成してしまうと、実際の見込み顧客とはズレたペルソナになり、リード数が伸び悩んだり、商談化が進まなかったりと、思うような成果が出なくなってしまいます。
- 回避策
この失敗を回避するには、必ず「1.情報収集(SFA/CRM分析とヒアリング)」を徹底することが重要です。SFA/CRMの客観的なデータ分析と、営業・CS部門への多角的なヒアリングに基づき、事実ベースでペルソナを構築しましょう。
思い込みを排除し、事実を集めるプロセスが最も重要なのです。
形骸化する「社内非共有ペルソナ」
マーケティング部門内だけでペルソナを作成し、満足してしまうと、営業部門はペルソナの存在自体を知らない、または自分事として捉えません。その結果、施策に一貫性が生まれなくなります。
マーケはペルソナに基づいたリードを渡していても、営業は従来のやり方でアプローチするため、ミスマッチが続いてしまいます。
- 回避策
「5. マーケ・営業で合意形成」を必ず実行しましょう。ペルソナは「マーケの成果物」ではなく、「マーケと営業の共通言語」と位置づけ、作成プロセスから営業を巻き込みます。
完成後は、リード獲得や商談化率を営業の定例会議で追いつつ効果測定を続け、定期的にペルソナをブラッシュアップすることが重要です。
陳腐化する「放置ペルソナ」
1年前に作成したペルソナを、今も「絶対的な正解」として使い続けていると、現実の見込み顧客と乖離してきてしまう恐れがあります。
顧客の課題や競合の状況が変化しているにもかかわらず、古いペルソナに基づいたメッセージを発信し続けることとなるため、施策の反応が鈍っていく。
- 回避策
ペルソナの定期的な更新を仕組み化することです。「半期に一度は見直す」といったルールを定め、SFAデータや営業ヒアリングを通じて常に最新の状態にアップデートし続ける体制を構築しましょう。
まとめ
BtoBペルソナ成功の鍵は、単なる人物像を描くことではなく、「企業ペルソナ」と「担当者ペルソナ」の2軸で設計し、それをデータとヒアリングに基づいて作成すること、そして何よりもマーケティングと営業の「共通言語」として合意形成し、活用・更新し続けることにあります。
正しくペルソナを設計できれば、ターゲットに響くコンテンツやシナリオ設計の精度が大きく向上するはずです。
ただ、実際にペルソナをナーチャリング施策に落とし込む際には、「どのタイミングで、どんな情報を届けるか」の設計に悩むケースも多いでしょう。
もし「ペルソナは作ったけれど、シナリオ設計・セグメントなどMAへの設定に課題を感じている」という場合は、BtoBマーケティングに特化した「ferret One for MA」をご検討ください。
スコアリングもシナリオも不要のシンプル操作で、現場での運用負荷を抑えながら効果的なナーチャリングを実現できます。







