BtoB向け・BtoC向けMAツールの違いとは?失敗しない選定基準と活用法


BtoBとBtoCで選ぶべきMAツールは違うの?基準は?
機能一覧を見比べても、自社のビジネスに本当に必要な機能なのか判断がつかない
高額なツールを導入した後で「使いこなせない」「仕様が合わない」と失敗したくない
BtoBとBtoCでマーケティングの方法は異なります。追うべきゴールも、管理すべきデータの構造も。そのため、BtoBとBtoCで選ぶべきMAツールも変わってくるのです。
「大は小を兼ねるだろう」と安易に多機能なツールを選んだり、「有名だから」という理由だけで導入したりすると、運用が回らずにコストだけがかさむという結果になりかねません。
そこで本記事では、BtoB・BtoCのマーケティングの方向性違いを紐解いた上で、BtoB向けとBtoC向けMAツールの違いを、機能・コスト・運用体制の観点から解説します。
自社に最適なツールを見つけて、成果につなげるヒントとなるはずです。
なぜBtoB向けとBtoC向けでMAツールに違いがあるのか?

MAツールは、それぞれのビジネスモデルが持つ「購買行動の特徴」に合わせて設計されています。
まずは、BtoB・BtoCについて、どのような考えに基づいて作られているのか、5つの観点から比較します。
関連記事:BtoBマーケティングとは?基礎から手法・フェーズ別戦略マップまで解説
関連記事:MAツールとは?機能・比較・選び方と活用事例を徹底解説
▼ BtoB向け・BtoC向けMAツールの比較表
BtoB向けMAツール | BtoC向けMAツール | |
|---|---|---|
目的 | 商談数の最大化、受注率向上 | 購入数、LTVの最大化 |
顧客データの粒度 | 「企業」に紐づく担当者 | 「個人」そのもの |
主要チャネルの種類 | メール、Webサイト、セミナー | メール、LINE、アプリ、SNS、Web接客 |
購買プロセス | 長期(数ヶ月〜年)、論理的、稟議・決裁 | 短期(数分〜数日)、感情的、即決 |
顧客データの量 | 数千〜数万件(比較的少ない) | 数万〜数百万件(膨大) |
目的:「商談創出」or「LTV最大化」
BtoBマーケティング・BtoCマーケティングは「目的」が異なるため、MAツールの設計そのものも変わってきます。
BtoBマーケティングのゴールは、最終的に営業担当者が受注するための「質の高いリードを営業に渡すこと」です。そのため、MAツールには、見込み度合いを測る「スコアリング機能」や、確度の高い行動をした見込み顧客を営業担当に通知する「行動検知機能」が搭載されます。
一方、BtoCマーケティングのゴールは、Webサイトや店舗での「購入・来店」および「リピート促進(LTV最大化)」です。営業担当者を介さずに完結するケースが多いため、カゴ落ち(カート放棄)への自動追客や、誕生日クーポン配信など、顧客の購買意欲を直接刺激する機能が中心となります。
顧客データの粒度:「法人」or「個人」
データベースの構造も異なります。
BtoBでは「会社」の中に「個人」が存在するという階層構造が必須です。 「A社の佐藤さん」と「A社の鈴木さん」は、別々のリードですが、同じ「A社」として管理されなければなりません。これができないと、企業単位でのアプローチ状況が把握できなくなります。
対してBtoCでは、「個人」単位です。家族構成などの属性はあっても、基本的には「1人の顧客」としてフラットに管理されます。
主要チャネルの種類:「メール主体」or「マルチチャネル」
顧客との接点(チャネル)にも大きな違いがあります。
ビジネスの現場では依然としてPCメールが主要な通信手段であるため、見込み顧客への連絡手段はBtoB向けMAは「メール配信機能」のみということも少なくありません。
BtoCでは、個人のプライベートな時間に接触するため、メールだけでなくLINE、スマートフォンアプリのプッシュ通知、SMS、SNSなど、多様なチャネル(マルチチャネル・クロスチャネル)でのアプローチが求められます。これらを統合管理できるかどうかが、BtoC向けツールの重要な選定基準となります。
購買プロセス:「長期・論理的」or「短期・感情的」
検討期間の長さは、シナリオ設計(自動化のルール作り)に影響します。
BtoBは、情報収集から稟議、決裁を経て発注に至るまで、数ヶ月から年単位と検討期間が長期にわたります。そのため、中長期的に有益な情報(ホワイトペーパーや事例)を提供し続け、信頼関係を構築するナーチャリング機能が充実しています。
BtoCは、商品によっては「欲しい」と思った瞬間に購入されます。そのため、「今、サイトを見ている人」にポップアップでクーポンを出すといった、Web接客のようなリアルタイム性や感情に訴えかける機能が重視されます。
顧客データの量:BtoBの方が顧客の母数が小さい
扱う顧客データの量の桁が違います。
BtoBの場合、ターゲット企業の数は日本国内で見ても限定的(数千〜数万社)であることが多いです。
一方、BtoCは対象が一般消費者であるため、会員数が数十万〜数百万人に達することも珍しくありません。BtoC向けツールは、この大量のデータを遅延なく処理し、大量配信するインフラ性能が求められます。
関連記事:顧客管理とは?ツールのデータ分断を防ぐ一元化・連携の2大戦略
BtoB向けとBtoC向けMAツールの違い【機能・コスト・体制】
機能やコスト、導入後の運用体制においても、違いがあります。ここを理解せずに導入すると、「機能が足りない」あるいは「オーバースペックで使いにくい」という事態に陥りますので、確認しておきましょう。
BtoB向けMAツール | BtoC向けMAツール | |
|---|---|---|
機能 | SFA/CRM連携の深さ | アプリ・LINE連携の広さ |
シナリオ設計 | 論理的説得型 | 感情訴求・タイミング型 |
価格体系 | リード数課金 | 配信数課金 |
運用体制 | インサイドセールス連携 | コンテンツ量産体制 |
機能:SFA/CRM連携の深さ vs アプリ・LINE連携の広さ
BtoB向けMAツールで最も重要な機能の一つが、SFA/CRMとの連携です。 「MAでホットリードに引き上げたリードを、即座にSFA/CRMへ同期し、営業がアプローチする」という流れを作る必要があるからです。逆に、SFA側の商談状況(受注・失注)をMAに戻し、分析に活かすこともあります。
BtoC向けMAツールでは、LINE公式アカウントや自社アプリとの連携が重視されます。 また、ECサイトのカートシステムや、実店舗のPOSレジデータを取り込み、「店舗で買った人にWebでおすすめ商品を案内する(OMO)」といった施策を実現する機能が求められます。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いと失敗を防ぐ選定基準
関連記事:CRMとは?SFA/MAとの違い、機能、選び方、導入手順まで徹底解説
関連記事:MA・SFA・CRMの違いとは?導入順・連携方法を徹底比較
シナリオ設計:論理的説得型 vs 感情訴求・タイミング型
「どのようなタイミングで、何を送るか」というシナリオの考え方も異なります。
BtoBでは、セミナー申し込みやホワイトペーパーダウンロードなど、自社との接点を起点に論理的なステップを組み立てます。検討段階を引き上げるため、ステップメール機能やシナリオ機能で段階的に情報を提供していきます。
例:「資料請求のお礼」→「3日後に事例紹介」→「1週間後にセミナー案内」
BtoCでは、カゴ落ちや誕生日など、ユーザーの行動や状況に合わせたタイミング重視の配信を行います。
例:「カートに商品を入れたまま離脱した1時間後にリマインド」「誕生日の朝にクーポン配信」「雨の日限定のお知らせ」
関連記事:MAシナリオとは?その設計、本当に必要?失敗しないための判断基準
価格体系:リード数課金 vs 配信数課金
料金体系も選定時の重要なポイントです。
BtoB向けツールは、「保有しているリード数」に応じて月額費用が決まる体系が一般的です。保有リードが増えると料金段階が上がりますが、メール配信数自体は無制限であることが多い傾向にあります。
BtoC向けツールは、配信規模が大きいため、「月のメール配信総数」や「アクティブユーザー数」で課金されるケースが多く見られます。大量のメルマガを一斉配信する場合、従量課金コストが膨らむ可能性があるため注意が必要です。
関連記事:【2025年】MAツールの費用相場は?|導入費用・月額費用など料金内訳を解説
運用体制:インサイドセールス連携 vs コンテンツ量産体制
ツール導入後の「チームの動き」にも違いが出ます。
BtoBでは、MAツールを運用するマーケティング担当者と、リードを受け取るインサイドセールス(または営業)との連携会議が運用の要になります。「どんなリードが欲しいか」「通知のタイミングは適切か」をすり合わせるコミュニケーションは重要です。
BtoCでは、個人の好みに合わせた多種多様なメッセージを配信するため、クリエイティブ(バナー画像、動画、リッチメニュー、コピーライティング)の量産体制が必要です。社内のデザイナーや制作会社といかに効率よく連携できるかが運用のカギとなります。
関連記事:インサイドセールス×MAツールで商談化率UP|活用法から体制作りまで徹底解説
ビジネスモデルに合わないMAツールを使うリスク

「機能が似ているから」といって、BtoC企業がBtoBツールを使ったり、その逆を行ったりすることには大きなリスクがあります。ここでは、ビジネスモデルに合わないMAツールを使うことのよる失敗例を紹介します。
- BtoCツールをBtoBで使うと「企業紐付け」ができない
- BtoBツールをBtoCで使うと「配信遅延」と「API制限」で停止する
BtoCツールをBtoBで使うと「企業紐付け」ができない
BtoC向けツールをBtoBで利用した場合に最も困るのが、企業単位でのデータ管理ができないことです。
BtoC向けツールは「個人」を管理単位として設計されています。そのため、ある企業の「佐藤さん」と「田中さん」がそれぞれ資料請求をした場合、システム上では2人の独立した個人として扱われ「企業紐付け」はできません。
これは企業単位でのアプローチが重要となるBtoBでは致命的です。
BtoB向けMAツールには、複数の担当者を企業単位でグルーピングするためにSFAと連携したり、タグ付けなどで企業単位での集計・活用ができるような機能が搭載されています。
BtoBツールをBtoCで使うと「配信遅延」と「API制限」で停止する
逆に、BtoB向けツールをBtoCで利用すると、「処理能力」の壁にぶつかります。
BtoBツールは、数十万〜数百万件規模への一斉配信を想定して作られていないことが多く、大規模なメルマガ配信を行うと完了までに数時間かかる「配信遅延」が起きる可能性があります。「タイムセールのお知らせを朝送ったのに、夕方に届いた」となればクレームに繋がりかねません。
また、ECサイトの購入履歴などをリアルタイムで連携しようとした際、APIの呼び出し回数制限(レートリミット)に引っかかり、システム連携が停止するといった技術的なトラブルも発生しやすくなります。
【BtoB・BtoC別】代表的なMAツール紹介
ここでは、国内で広く導入されている代表的なMAツールを、BtoB向け・BtoC向けに分類して紹介します。
BtoB向け
使いやすさとコスパを重視した「ferret One for MA」
SFA連携と商談管理に強い「Account Engagement」
BtoC向け
- 大量配信とクロスチャネルに強い「Adobe Marketo Engage」
- Salesforceが提供するCRM上に構築された「Marketing Cloud」
関連記事:【2025年版】MAツール比較|タイプ別の選び方を徹底解説
BtoB向け:使いやすさとコスパを重視した「ferret One for MA」

株式会社ベーシックが提供する、「BtoBマーケティングをもっと簡単に」をコンセプトにした国産MAツールです。
シナリオやスコアリングといった高度な機能に頼らずに、ナーチャリングできるように設計されています。また、AI搭載で各種施策(メール作成やLP作成、分析など)をアシストしてもらえるので、工数を圧倒的に短縮できます。
初期費用3万円、月額8万円からとリーズナブルな価格設定で、ユーザー数無制限なのでチーム全体で活用できるも嬉しいポイントです。
- おすすめ企業
BtoBに特化したシンプルな機能・操作性とコストパフォーマンスを重視する企業
- 費用
月額8万円~
公式サイト:https://ma.ferret-one.com/
BtoB向け:SFA連携と商談管理に強い「Account Engagement」

Salesforce社が提供するBtoB特化型MAツールです。最大の特徴は、同社のSFA「Sales Cloud」とのシームレスな連携です。
営業担当者が普段使うSFA画面上で、顧客のWeb閲覧履歴などを確認できます。
- おすすめな企業
既にSalesforceのSFAを導入しており、マーケティングと営業の連携を最優先したい企業。
- 費用
月額15万円〜
公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/marketing/b2b-automation/
BtoC向け:Salesforceが提供するCRM上に構築された「Marketing Cloud」

Salesforce社が提供するBtoC特化型のプラットフォームです。Web、メール、モバイル、SNS、広告などあらゆるチャネルでの顧客体験を一元管理できます。
搭載されたAIが、インサイトの抽出、戦略の策定、コンテンツの生成などキャンペーン企画をサポートしてくれます。
- おすすめ企業
ECや店舗など多岐にわたるチャネルを持ち、顧客一人ひとりに最適化されたマーケティングを大規模に展開したい企業
- 費用
月額18万円~
公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/marketing/
BtoC向け:大量配信とクロスチャネルに強い「Adobe Marketo Engage」

Adobe社が提供する、世界的にシェアの高いMAツールです。BtoB・BtoC双方に対応できるハイエンドツールですが、特にBtoCにおいては、大規模なデータ処理能力と、オンライン・オフラインを横断した複雑なシナリオ設計に強みを持ちます。
- おすすめ企業
数百万件規模の顧客データを持ち、高度なクロスチャネルマーケティングを行いたい大企業
- 費用
公式サイト掲載なし ※エンタープライズ向けの価格帯といわれています。
まとめ
BtoBとBtoCでは、マーケティングのゴールも、扱うデータの構造も、アプローチの手法も異なります。
- BtoBなら、「企業単位の管理」ができ、「SFAと連携」して営業へバトンを渡せるツール。
- BtoCなら、「個人単位の管理」ができ、「マルチチャネル」で大量配信ができるツール。
まずは自社のビジネスモデルを再確認し、目的に合致したカテゴリのツールから選定を進めてください。「機能の豊富さ」ではなく、「自社の運用フローに合っているか」を基準に選ぶことが、MA導入成功への近道です。この記事が、貴社のツール選定の一助となれば幸いです。
なお、BtoBマーケティングに取り組まれており、「高機能すぎるツールは使いこなす自信がない」「コストを抑えつつ、Webサイトの更新からメール配信まで一元管理したい」とお考えの場合は、ferret One for MAも選択肢の一つとしてご検討ください。
「自社に合うかわからない」という方のために、無料のデモ体験も実施しています。ぜひ実際の画面で、その使いやすさを体感してみてください。







