MAツールとメール配信システムの違いは?導入すべきツールの判断基準

MAツールとメール配信システムの違いは?導入すべきツールの判断基準
  • メール配信したいならメール配信システムじゃダメなの?MAツールは何のためにあるの?

  • MAツールへの移行を検討しているが、コストに見合うか不安だ

  • SFA(営業支援システム)とデータを連携させたいが、今のままでは難しい

メール配信システムとMAツールは、どちらも「メールを送る」機能を持ちますが、その導入目的と期待できる成果は大きく異なります。

本記事では、両者の違いや、自社のフェーズに合わせた選び方の判断基準を、実務担当者の視点で解説します。また、MAツールがよいのか、メール配信ツールがよいのか、診断できるチェックリストや、おすすめのツールも紹介します。

  • この記事の要点

メール配信システムは「情報の確実な伝達」、MAツールは「見込み客の選別と育成(ナーチャリング)」が主目的。

MAツールはメール配信に加えて、Web上の行動履歴(閲覧ページなど)まで追跡し、ホットリードを自動検知できる点が最大の違い。

保有リード数が3,000件未満で、マーケティングの専任担当がおらず、ナーチャリングを続けるためのコンテンツも少ない(量産できない)場合はメール配信システムが適している。
  • 保有リード数が3,000〜5,000件を超え、インサイドセールスなどの営業連携体制があるか場合は、MAツールを活用できる。

MAツールとメール配信システムの違いとは?

MAツールとメール配信システムの違いとは?

多くのマーケターが混同しやすい両者の違いは、「誰に、何のために送るか」という目的にあります

MAツール

メール配信システム

目的

商談創出

情報伝達

機能

ホットリード創出までか

メール配信まで

データ活用

ナーチャリング施策の効果測定か

メールの効果測定か

目的の違い:情報伝達か、商談創出か

メール配信システムの目的は、メルマガや製品・サービスなどの情報を、大量のリストへ遅延なく確実に届けることです。「既存顧客への定期連絡」や「キャンペーン告知」など、全員に同じ情報を伝えるフェーズでは役立ちます。

一方、MAツールの目的は、商談の創出(ナーチャリング)です。メールを送ることは手段の一つに過ぎず、最終的なゴールは「メールへの反応やWebサイトでの行動から、ホットリードを見つけ出すこと」にあります。

つまり、「情報を届けること」がゴールならメール配信システム、「商談を生むこと」がゴールならMAツールと言えます。

機能の違い:メール配信までか、ホットリード創出までか

機能面での最大の違いは、「Webトラッキング機能」と「ホットリード検出」の有無です。

メール配信システムは、基本的に「メールを開封したか」「リンクをクリックしたか」までしか計測できません。クリックした後に、その人がWebサイトで料金表を見たのか、事例ページを熟読したのかまでは追えないのです。

対してMAツールは、メール内のリンクをクリックしたユーザーが、その後Webサイト内でどのような行動をとったかを追跡できます。「料金ページを見た」「資料請求フォームで離脱した」といった行動を検知し、意欲が高いユーザーに点数をつけたり、営業担当へ「今アプローチすべき」と自動通知したりする機能を持っています。

データ活用の違い:メールの効果測定か、ナーチャリング施策の効果測定か

データ活用の範囲も異なります。

メール配信システムでは、主にメールの効果測定(到達率、開封率、クリック率)を行います。改善のサイクルは「件名を変える」「配信時間を変える」といったメール配信の最適化に留まります。

MAツールでは、メールとWebサイト、さらにはSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)とデータを連携させます。「メールAを見て、WebページBを閲覧し、その後商談につながった」という一連のプロセスを可視化できるため、マーケティング施策全体の投資対効果(ROI)を判断材料にできる点が大きな違いです。

BtoBマーケティングの流れ(リード獲得~受注)に見る両者の活用範囲

BtoBマーケティングのプロセスにおいて、両者がカバーする領域は次のようなイメージです。

BtoBマーケティングの流れ(リード獲得~受注)に見る両者の活用範囲

  • メール配信システム

リード獲得後の「一斉配信」や「定期フォロー」を担当。カバー範囲はリード管理の一部~メール配信。

  • MAツール

獲得したリードの「育成」~「選別(商談化)」までを一貫して管理。カバー範囲はメール配信を始め、ナーチャリング施策全般の機能。

【比較表】機能・コスト・必要なスキルセット一覧

ここでは、実務視点での比較を表にまとめました。自社のリソースで運用可能かどうかの目安にご活用ください。

比較項目

メール配信システム

MAツール(マーケティングオートメーション)

主な役割

情報の一斉伝達、定期フォロー

見込み客の育成、選別、商談創出

メール配信

一斉配信、セグメント配信、ステップメール

一斉配信、セグメント配信、ステップメール、シナリオ配信

Web解析

基本的に不可(クリック測定のみ)

可(ページ閲覧履歴、流入経路、滞在時間など)

スコアリング

なし

あり(行動に応じた点数付け)

フォーム作成

簡易的なもののみ(または非搭載)

標準搭載(LP作成機能がある場合も)

SFA連携

API連携が必要な場合が多い(CSV連携)

標準連携(リアルタイム同期が可能)

初期費用

数万円 ~ 10万円程度

10万円 ~ 50万円以上

月額費用

数千円 ~ 5万円程度

5万円 ~ 数十万円(リード数課金が一般的)

必要スキル

ライティング、基本的なITリテラシー

マーケティング戦略立案、シナリオ設計、データ分析

運用工数

少 ~ 中(配信設定作業が中心)

中 ~ 大(シナリオ作成、スコア調整、コンテンツ制作)

機能

メール作成機能単体で見れば、メール配信システムの方が「直感的で使いやすいエディタ」を備えているケースも多くあります。MAツールのメール機能は、あくまで「ナーチャリング施策の一部」として設計されているため、デザインの自由度や配信速度(到達率)においては専用システムに分があることもあります。

しかし、マーケティング機能としてはMAが圧倒的です。特定のページを見た人にだけ翌日にメールを送る「ステップメール」や、特定の条件を満たした顧客のステータスを自動変更する「オートメーション機能」は、MAならではの強みです。

コスト

コスト差は明確です。

メール配信システムは月額数千円から利用できるものが多く、配信数に応じた課金が一般的です。

一方、MAツールは月額5万〜10万円からスタートし、高機能な海外製品(Salesforce Account Engagementなど)では月額15万円以上+初期費用数十万円となることも珍しくありません。

また、MAツールは「保有リード数(メールアドレス数)」に応じて課金されることが多く、リードが増えるほどランニングコストが上がる点に注意が必要です。

運用体制・必要なスキル

ここが最も重要なポイントです。ツールを買えば自動化される、わけではありません。

メール配信システムは、メール原稿とリストさえ決められれば運用可能です。しかしMAツールは、「誰に、いつ、どんなメールを送り、どうなったらホットリードとみなすか」という設計図を描くスキルが必要です。

また、そのシナリオを機能させるためには、メールだけでなく「遷移先のWebコンテンツ(記事やホワイトペーパー)」も大量に必要になります。専任の担当者がいない状態で高機能なMAを導入し、使いこなせず解約するケースは後を絶ちません。

リード数×体制で見るMAツールを選ぶべき4つの判断基準

リード数×体制で見るMAツールを選ぶべき4つの判断基準

「MAツールは、うちにはまだ早いかもしれない」「いや、今すぐ入れるべきだ」と迷う方へ。具体的な数値基準を用いた判断ポイントをご紹介します。

  • 保有リード数が「3,000〜5,000件」を超えているか
  • Webサイトのコンテンツ(記事・事例)は充実しているか
  • マーケティング専任担当者が1名以上いるか
  • インサイドセールス(IS)との連携体制はあるか

保有リード数が「3,000〜5,000件」を超えているか

一般的な目安として、保有している有効リード数が3,000件〜5,000件を超えてくると、手動での管理や一斉配信メールでのフォローに限界が来ます。

リード数が少ないうちは、個別の顧客の顔が見えているため、営業担当者が個別にメールを送れば事足ります。しかし、数千件規模になると「誰がいつ検討フェーズに入ったか」を目視で追うことは不可能です。この規模感が、MAツールによる自動化・可視化が必要になるラインと言えます。

Webサイトのコンテンツ(記事・事例)は充実しているか

MAでナーチャリングを行うには、メールから誘導する先のコンテンツが不可欠です。

「お役立ちブログ」「導入事例」「ホワイトペーパー(資料)」などのコンテンツがWebサイト上にほとんどない場合、MAを入れても送るものがありません。まずはコンテンツ制作に注力すべきであり、ツール導入はその後でも遅くありません。

マーケティング専任担当者が1名以上いるか

MAツールは「設定して終わり」ではなく、日々のスコア調整などの設定調整やメールのA/Bテストなど、運用改善が必要です。

他の業務(営業や総務など)と兼務で、片手間にMAツールを運用しようとすると、ほぼ間違いなく「ただの一斉メール配信システム」として使うことになります。高額なMAツールを導入するなら、最低でも1名、できれば専任の運用担当者をアサインできる体制が必要です。

インサイドセールス(IS)との連携体制はあるか

MAツールが「この人はWebサイトをよく見ています」と通知しても、それに即座に反応して電話やメールをする営業担当がいなければ、機会損失になります。

外回りのフィールドセールスが忙しく、通知を無視してしまうようであれば、MAの効果は半減します。ホットリードに対して迅速にアプローチするインサイドセールがあるか、もしくはこれから構築する計画があるかが重要です。

関連記事:インサイドセールス×MAツールで商談化率UP|活用法から体制作りまで徹底解説

ケース別診断:あなたの会社は「メール配信」か「MA」か

これまでの内容を踏まえて、MAツールがよいのか、メール配信ツールがよいのか、診断できるチェックリストをご用意しました。当てはまる項目が多いほうを検討してみてください。

メール配信システムで十分なケース

  • 保有リード数が3,000件未満である。
  • マーケティング担当がおらず、営業担当や事務担当が兼務している。
  • 主に「既存顧客」へのニュースレターや、展示会のお礼メールを送りたい。
  • Webサイトのページ数が少なく新しい記事更新もあまりない
  • とにかくコストを抑えてメール業務を効率化したい。

この場合は、無理にMAを導入する必要はありません。使いやすいメール配信システムを選び、まずは「定期的に情報を届ける」習慣を作ることから始めましょう。

MAツールの導入が推奨されるケース

  • 保有リード数が5,000件以上あり、毎月数百件の新規リードが入ってくる
  • 検討期間が長い商材(ITツール、製造装置、コンサルなど)」を扱っており、中長期的な追客が必要。
  • 営業担当者の数が足りず、確度の高い客だけに絞ってアプローチしたい。
  • Webサイトに記事や資料が多くあり、どのページを見たかで興味関心を分析したい。
  • SFA/CRMを導入しており、マーケティングデータも連携させたい。

この場合は、メール配信システムでは力不足です。MAツールを導入し、ナーチャリングの仕組みを構築することで、営業効率と受注率の向上が見込めます。

【注意】MAを入れて失敗するパターンの典型例

最も多い失敗例は、「高機能な海外製MAを入れたが、難しすぎて使いこなせない」というパターンです。

「将来的にやりたいこと」に合わせてオーバースペックなツールを選んでしまい、設定の複雑さや専門用語(キャンペーン、トリガー、タグなど)に挫折してしまうケースです。

初めてMAを導入する場合は、「機能の豊富さ」よりも「自社のリソース・スキルで使いこなせる操作性」や「使いこなせないところをカバーするサポートの手厚さ」を重視して選ぶことが成功のポイントです。

関連記事:MA導入ガイド|稟議を通すROI設計からツール選定、運用体制まで解説

関連記事:MAツールの乗り換えはいつ・どう進める?費用対効果で選ぶ比較ポイントと失敗しない手順

おすすめのMAツール・メール配信システム4選【厳選紹介】

BtoBの実務現場で評価の高いツールを、4つ厳選してご紹介します。

  • ferret One for MA|AI×シンプル操作で驚くほど簡単なMA
  • Account Engagement(旧Pardot)|世界No.1 CRM Salesforce連携のBtoBエンタープライズ向けMA
  • WiLL Mail|初期費用不要・最適なプランを1か月毎に選べるメール配信システム
  • 配配メール|営業活動支援に特化したメール配信システム

なお。もっと幅広いツールを比較して自社に最適なツールを見極めたいという方はこちらの記事を参考にしてみてください!

関連記事:【2025年版】MAツール比較|タイプ別の選び方を徹底解説

関連記事:【2025年版】メルマガ配信ツール比較8選| BtoBでの選び方とMAツールとの違い

ferret One for MA|AI×シンプル操作で驚くほど簡単なMA

ferret One for MA

「MAツールは難しくて使いこなせない」「コストが高すぎる」という課題を解決するために設計された、BtoB特化型のMAツールです。

最大の特徴は、「CMS(Webサイト作成機能)」と「MA」が一体化している点です。メールを送るだけでなく、その受け皿となるLP(ランディングページ)やフォームも、プログラミング不要で簡単に作成・修正できます。

月額8万円〜という低価格帯でありながら、ユーザー数無制限で利用できるため、営業担当者全員にアカウントを発行して顧客情報を共有することも可能です。

  • 推奨フェーズ:MA初導入~本格運用期(特にリソース不足のチーム)

公式サイト:https://ma.ferret-one.com/

Account Engagement(旧Pardot)|世界No.1 CRM Salesforce連携のBtoBエンタープライズ向けMA

Account Engagement(旧Pardot

Salesforce社が提供するBtoB向けMAツールです。SFA/SRM「Salesforce」とのシームレスな連携が最大の強み。

AIによる高度なスコアリングや、複雑な分岐条件を設定できるシナリオ機能(Engagement Studio)など、非常に高機能です。その分、コストは高めで運用には専門的なスキル(Salesforce管理者レベルの知識)が求められます。

  • 推奨フェーズ:中堅~大企業の本格的なMA運用期
  • 特徴:Salesforce完全連携、高度な自動化・分析機能

公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/marketing/b2b-automation/

WiLL Mail|初期費用不要・最適なプランを1か月毎に選べるメール配信システム

ドラッグ&ドロップで直感的にHTMLメールが作成できるエディタ機能に定評があるメール配信システムです。ヒートマップ分析機能もあり、どのリンクがクリックされたかを視覚的に把握できます。

初期費用無料で1ヶ月単位から利用できるため、「まずはメール配信を試してみたい」という企業に最適です。

  • 推奨フェーズ:メール配信システムを始めて導入しようとしている

公式サイト:https://willcloud.jp/

配配メール|営業活動支援に特化したメール配信システム

「メールマーケティングを始めたいが、MAはハードルが高い」という層に支持されています。シンプルな操作性と、手厚いアフターサポートが特徴です。上位プランでは、Webトラッキングや「来訪通知」など、MAに近い機能(簡易MA機能)を利用でき、営業担当者がアプローチのタイミングを掴むのに役立ちます。

  • 推奨フェーズ:ナーチャリングにも施策の幅を広げようとし始めている

公式サイト:https://www.hai2mail.jp/

まとめ:自社のフェーズに合わせた選択を

メール配信システムとMAツールは、どちらが優れているかではなく、「自社の目的とリソースに合っているか」で選ぶべきです。

  • 情報の伝達が目的なら、安価で使いやすいメール配信システム
  • 商談の創出が目的で、運用リソースがあるならMAツール

MAツールを導入しても、コンテンツを作る力がなければ活用できません。逆に、リード数が十分にあり、営業連携の課題を感じているなら、MAツールへの投資は大きなリターンをもたらすでしょう。まずは自社の保有リード数と運用体制を見直し、無理のないステップから始めてみてください。

MAツールを入れたいけれど、高機能すぎて使いこなせるか不安
コストを抑えつつ、ナーチャリングを始めたい

このようにお考えの場合は、ferret One for MAも選択肢の一つとしてご検討ください。

現場の誰もが簡単に使える操作性とコストのバランスを重視したMAツールです。月額8万円から 、BtoBマーケティングに必要な機能をご提供しています。

ferret One for MA
ferret One for MA
ferret One for MAは、誰でも・簡単に使いこなせることをコンセプトとしたMAツールです。 「これ、現場で使える!」と思ってもらえるようなヒントを発信中。 MAやナーチャリングの運用をもっと身近に、もっと簡単に。 Twitter:@ferret_One_

登録番号 IA180169
適用規格 ISO/IEC 27001:2022 / JIS Q 27001:2023