MAツール導入の失敗事例7選|「高機能すぎて使えない」からの脱却とリプレイス判断基準

MAツール導入の失敗事例7選|「高機能すぎて使えない」からの脱却とリプレイス判断基準
  • 多機能なMAツールを導入したが、設定が複雑すぎて使いこなせない。結局一斉配信だけしている。

  • 営業部門にホットリードを渡しても、「確度が低い」と放置されてしまう。

  • コンテンツを作る時間もスキルもなく、メルマガ配信のネタが尽きている。

「MAツールを導入したものの期待した成果が出ず、高い月額費用だけが発生し続けている」失敗ケースは実はとても多いのです。

MAツールの導入が失敗に終わる原因は、ツールの機能不足ではなく、自社のリソースや体制に見合わない「オーバースペックな選定」や「運用計画の甘さ」にあることがほとんどです。

本記事では、MAツール導入における典型的な「失敗事例7選」を紹介し、そこから見えてくる根本的な原因を解説します。その上で、現在の運用を改善すべきか、それとも身の丈に合ったツールへリプレイスすべきか判断基準と、社内説得に必要な効果試算の方法までを網羅的にご紹介します。

  • この記事の要点

高機能すぎて使いこなせない、またはリード数やコンテンツ不足で運用が回らないケースが大半。

ツール機能の問題ではなく、運用担当者の「スキル・工数」営業との「連携体制」のミスマッチにある。

運用改善で解決できない「使い勝手の悪さ」や「コスト」がネックなら、リプレイスは合理的な選択肢。

機能の多さよりも「現場が直感的に使えるか」「サポート体制は十分か」を最優先に選定する。

なぜMAツール導入は失敗するのか?よくある7ケース

なぜMAツール導入は失敗するのか?よくある7ケース

多くの企業が陥りやすいMAツールの失敗パターンを7つ紹介します。自社の状況に当てはまるものがないか確認してみてください。

  • 高機能すぎて使いこなせず、結局「一斉配信メール」しか送っていない
  • リードが枯渇し、MAを回してもあまり意味がない
  • コンテンツがなく、ナーチャリングが進まない
  • 「ホットリード」の定義が曖昧で、営業に送客しても放置される
  • スコアリングが複雑化し、誰も数値を信用しなくなった
  • シナリオ設計に凝りすぎて、メンテナンス不能に陥った
  • 専任担当者が退職し、ツールがブラックボックス化した

ケース1:高機能すぎて使いこなせず、結局「一斉配信メール」しか送っていない

「将来的にやりたいこと」を詰め込みすぎて、最初からグローバル水準のハイエンドなMAツールを導入してしまうケースです。

機能が豊富であることは魅力ですが、その分、設定項目は膨大で複雑になります。シナリオ一つ組むのにも専門的な知識が必要だったり、画面操作が難解だったりするため、兼務で忙しい担当者は手が出せなくなります。

結果として、高度な機能を諦め、簡単にできる「全リストへのメール一斉配信」しか行わなくなり、高額なツール費用が無駄になってしまいます

ケース2:リードが枯渇し、MAを回してもあまり意味がない

MAは、保有しているリードに対してアプローチし、育成するためのツールです。

しかし、肝心のリード数が数百件しかない状態でMAを導入しても、アプローチできる母数が少なすぎるため、目に見える成果(商談数)は生まれません。

まずは展示会やWeb広告、SEOなどでリードを十分に獲得する体制を作ることが先決であり、順番を間違えた典型的な失敗例です。

ケース3:コンテンツがなく、ナーチャリングが進まない

「メールを送ってナーチャリングしよう」と意気込んだものの、送るべきコンテンツがないケースです。

「お役立ち情報をお送りします」と言っても、ブログ記事やホワイトペーパー(お役立ち資料)、事例記事などの受け皿がなければ、顧客の関心を引くことはできません。

コンテンツ制作のリソースや予算を確保せずにツールだけ導入しても、結局は「新年のご挨拶」や「新機能のお知らせ」といった、売り込み色の強いメールしか送れなくなります

ケース4:「ホットリード」の定義が曖昧で、営業に送客しても放置される

マーケティング部門がMAで検知した「ホットリード」を営業に渡しても、「まだ検討段階じゃなかった」「ただの情報収集だった」と突き返されるケースです。

これは、ホットリードの認識について、マーケと営業でズレがあるために起こります。

結果、営業はMAからの通知を無視するようになり、せっかくのリードが放置されてしまいます。

ケース5:スコアリングが複雑化し、誰も数値を信用しなくなった

「メール開封で1点」「Web訪問で3点」のように細かく点数をつけるスコアリング機能。

導入当初は張り切って複雑な配点ルールを作りがちですが、運用していくうちに「スコア50点の人」が本当に熱いのか、誰も判断できなくなります。

「スコアが高いのに電話したら怒られた」という経験が積み重なると、営業部門はスコアを全く信用しなくなり、機能そのものが形骸化します。

ケース6:シナリオ設計に凝りすぎて、メンテナンス不能に陥った

「Aのメールを開封したらBを送り、開封しなかったらCを送る。Cを開封したら…」といった複雑な分岐シナリオを作り込んでしまうケースです。

最初は理想的な設計に見えますが、運用中にメール文面を修正したくても、どこに影響するかわからず手が出せなくなります。

また、施策の効果測定も難しくなり、一度動かし始めたら二度と止められない・変えられない状態陥ります。

ケース7:専任担当者が退職し、ツールがブラックボックス化した

特定の詳しい担当者だけが設定を行っていた結果、その人が退職した瞬間に誰も触れなくなるケースです。

特に、HTML/CSSの知識が必要なツールや、専門用語が多いMAツールの場合、後任への引き継ぎが困難になります。

「なぜこの設定になっているのかわからないが、怖いから触らない」という状態になり、ツールの活用が完全に停止してしまいます。

MAツールの活用事例について詳しく知りたい方は、こちらでご紹介しております。

関連記事:マーケティングオートメーション成功事例7選|新規導入からリプレイスまで

関連資料:MA活用事例集

MAツール導入が失敗する原因とは?「リソース」と「体制」のミスマッチ

これら失敗事例から見えてくるのは、ツールそのものの良し悪しではなく、導入する企業の「リソース」と「体制」のミスマッチです。

  • 「MAツール」への過度な期待(ツールが勝手に売ってくれるという誤解)
  • 自社の「運用工数」と「スキル」を無視したスペック重視のツール選定

「MAツール」への過度な期待(ツールが勝手に売ってくれるという誤解)

まず、経営層や責任者が、「MAツールさえ入れれば、自動的にリードが育ち、商談が増える」と誤解していることが最大の原因です。

MAはあくまで、適切な相手に適切なタイミングで情報を届けるための「仕組み」にすぎません。誰に何を届けるかという戦略や、届けるコンテンツがなければ、ツールは何の役にも立ちません。

自社の「運用工数」と「スキル」を無視したスペック重視のツール選定

「大は小を兼ねる」の発想で、自社の運用体制に見合わない高機能なツールを選んでしまうことです。

専任のマーケターがおらず、営業担当者が兼務で運用する場合や、HTMLなどの専門知識がない場合に、エンジニア並みの設定が必要なツールを導入すれば、破綻するのは目に見えています。

「担当者が日々工数をかけずに使えるか」という視点が欠落していることが、失敗の要因となります。

コンテンツ制作のリソースの見積もり甘さ

ナーチャリングには、メール文面、ランディングページ、ホワイトペーパー、ブログ記事など、大量のコンテンツが必要です。

これらを内製するのか、外注するのか。そのための人員や予算を確保しないままツールだけ導入すると、すぐにMAツールで送るネタがないという壁にぶつかります。

コンテンツ制作費もMAツール運用コストの一部として計画しておく必要があります。

営業部門との「KGI/KPI」の不一致と連携不足

マーケティング部門が「リード獲得数」をKPIにし、営業部門が「受注数」をKPIにしている場合、両者の利害が対立しやすくなります

マーケは「数は集めた」と主張し、営業は「質が悪い」と不満を持つ。この溝を埋めるための「ホットリード定義」のすり合わせや、共通のKGI(最終目標=売上)に向けた連携体制が構築されていないことが、失敗を招きます。

「リプレイス」or「運用改善」? 見極めフローチャート

現状のMAツール活用がうまくいっていない場合、リプレイスするべきか、今のツールで運用を見直すべきか迷うところです。そんな時は以下の基準で判断してみてください。

リプレイスを検討すべきケース

  • 操作性が難解で、日々の作業に時間がかかりすぎている(担当者のスキルと合っていない)。
  • 使っていない機能が大半なのに、高額な費用を払い続けている。
  • リード数や配信数による従量課金で、コストが急増してしまった。
  • ベンダーからのサポートがなく、疑問点が解消できない。
  • 社内の他のツール(SFAなど)との連携がうまくいかない。

関連記事:MAツールの乗り換えはいつ・どう進める?費用対効果で選ぶ比較ポイントと失敗しない手順

運用改善で対応すべきケース

  • そもそもリード数が足りていない(まずはリード獲得施策に注力する)。
  • 送るコンテンツがない(ツールを変えても解決しない。制作体制を作る)。
  • 営業との連携フローが決まっていない(定例会議などで定義をすり合わせる)。

【リプレイス向け】次は失敗しない!自社にちょうどいいMAツール選定の基準

【リプレイス向け】次は失敗しない!自社にちょうどいいMAツール選定の基準

もしリプレイスを決断する場合、次は「高機能さ」ではなく、「自社で使いこなせるか」を基準に選定しましょう。

  • 担当者が「日々使いやすい」操作性か
  • 担当者のスキルに合った機能か
  • 自社のリード数・ハウスリスト規模に適した価格体系か
  • 導入後の「定着支援」が契約に含まれているか

関連記事:MAツールの乗り換えはいつ・どう進める?費用対効果で選ぶ比較ポイントと失敗しない手順

担当者が「日々使いやすい」操作性か

最も重要なのは、運用の中心となる担当者が「設定の工数を割かずに使える」と感じるかどうかです。設定自体に時間をかけていては、重要なナーチャリング施策が進みません。

ドラッグ&ドロップでメールやLPが作れるか、管理画面が見やすいかなど、実際のデモ画面を触って確認してください。「慣れれば使える」ではなく「直感的に使える」ツールを選ぶことで、属人化を防ぎ、引き継ぎもスムーズになります。

担当者のスキルに合った機能か

MAツール自体はカスタマイズ性が高く、高機能であってもそれを使いこなせる人材がいなければ宝の持ち腐れです。

マーケティングの基礎知識がある上で、そのツール特有の専門用語を理解した上で設定に落とし込む必要だけのスキルが必要になります。そういった人材が何人も自社にいる場合は運用し続けられますが、1人しかいないという場合は属人化を招きかねません。そういった観点からもスキルレベルにあったMAツールを選ぶ必要があります。

自社のリード数・ハウスリスト規模に適した価格体系か

MAツールの中には、保有しているリード数に応じて課金額が上がっていくタイプが多くあります。

事業が成長しリードが増えるほどコストが跳ね上がる仕組みです。事業成長を見越して予算を組んでおかなければ、将来的に「リストを削除してコストを抑える」という本末転倒な事態になりかねません。

初期費用や月額費用だけでなく、リード数増加時のコストシミュレーションも必ず行いましょう。

導入後の「定着支援」が契約に含まれているか

MAツールについては、導入したけで運用が定着することは稀です。

導入初期の設定支援、オンボーディングプログラム、運用開始後の定期的なフォローアップがあるかを確認してください。

特に海外製ツールの場合、サポートが英語のみだったり、代理店経由で回答が遅かったりすることがあります。

MAツールを運用する担当者のスキルを補うだけの手厚いサポートがあるかは重要な選定ポイントです。

【運用改善向け】運用体制の再構築方法

MAツールを継続する場合、そもそもうまく運用できていない原因となっている運用体制の見直しを行うようにしましょう。

  • 営業連携の壁を突破する:まずは「ホットリード」定義のすり合わせから
  • コンテンツ不足を解消する:内製にこだわらず「外注予算」を確保するという道も
  • スコアリングの廃止も検討:最初は「特定のアクション」のみを検知する

営業連携の壁を突破する:まずは「ホットリード」定義のすり合わせから

マーケと営業の定例ミーティングを設定し、「過去に受注した顧客は、Webサイトでどんな行動をしていたか?」を分析し合いましょう。

「セミナーアンケートで『資料が欲しい』という回答があったら」「○○事例集のダウンロードがあったら」など、営業が納得感を持って架電できる具体的な行動条件を決め、それをMAツールの設定に落とし込みます。

コンテンツ不足を解消する:内製にこだわらず「外注予算」を確保するという道も

社内で記事を書ける人がいないなら、無理に内製しようとせず、コンテンツ制作会社やライターへの外注を検討しましょう。

「月に1本ホワイトペーパーを作る」「週に1本ブログを書く」といった計画を立て、そのための予算を確保することは、MAのツール費用と同じくらい重要です。質の高いコンテンツがあれば、ツールがシンプルでも成果は出ます。

スコアリングの廃止も検討:最初は「特定のアクション」のみを検知する

複雑なスコアリングが機能していないなら、思い切って廃止するのも一手です。

代わりに、行動検知を活用しましょう。「資料請求」「料金ページ閲覧」「セミナー申し込み」といった、商談意欲が高いと思われる「特定の行動」があった場合にのみ、営業へ通知を飛ばす設定にします。特にBtoBの場合は、会社の方針で急に比較検討段階にひきあがることも少なくありません。

まずはシンプルに、「重要な動き」だけを見逃さない運用から始め、徐々に精度を高めていきましょう。

社内稟議を通すための「導入・リプレイス効果試算」のやり方

リプレイスを進める際、上層部を説得するために最も効果的なのがROI(投資対効果)の試算です。

ここではそのやり方と、ワークシートをご紹介します。

乗り換えコストと削減できる費用・工数の算出ロジック

単に「月額費用が〇〇円安くなる」という費用削減だけでなく、運用工数の削減を訴求します。

例えば、「現在メール配信に毎回3時間かかっている作業が、新ツールなら30分で終わる」場合、担当者の時給換算で月間いくらのコスト削減になるかを算出します。

また、属人化解消によるリスク低減や、施策実行スピードの向上による機会損失の回避なども、定性的なメリットとして盛り込みましょう。

【無料配布】MAツール導入・リプレイス効果試算ワークシートの使い方

実際に稟議書に添付できる数値を算出できるようにワークシートをご用意しました。

現状のコストや工数を入力するだけで、リプレイスによる削減効果やROIを算出できるシートです。ぜひご活用ください。

ダウンロードはこちら→MAツール導入・リプレイス効果試算ワークシート

まとめ:MAは「機能」ではなく「運用できるか」で選ぶのが正解

MAツールの導入失敗事例の多くは、ツールの機能不足ではなく、「自社のリソースやスキルに見合わない選定」や「運用体制の不備」に起因しています。

もし現在のツールがオーバースペックで、コストや運用工数が負担になっているのであれば、無理に使い続けるよりも、自社の身の丈に合ったツールへのリプレイスが、結果的に最短での成果創出につながるでしょう。

この記事で解説した失敗事例や対策が、貴社のMA運用の立て直しにお役に立てば幸いです。

なお、使いやすさを重視したMAツールをお探しでしたら、ぜひferret One for MAも選択肢の1つとしてご検討ください。専門知識不要で直感的に使えるUIや、BtoBに特化したサポート体制を備えており、運用リソースに不安がある企業様でも安心して成果を目指せる設計になっています。

ferret One for MA
ferret One for MA
ferret One for MAは、誰でも・簡単に使いこなせることをコンセプトとしたMAツールです。 「これ、現場で使える!」と思ってもらえるようなヒントを発信中。 MAやナーチャリングの運用をもっと身近に、もっと簡単に。 Twitter:@ferret_One_

登録番号 IA180169
適用規格 ISO/IEC 27001:2022 / JIS Q 27001:2023