BtoB向けMAツールを解説|BtoC向けとの違いや導入メリット、選び方


なぜ今、BtoB営業に「MAツール」が必要不可欠なの?
- BtoB向けのMAツールってどんなのがあるの?
- BtoBとBtoCで「選ぶべきMAツール」はどう違う?
MAツールというと、BtoC向けのイメージが強いかもしれません。しかし実際には、「BtoB向け」を明確に打ち出しているMAツールも数多く存在しています。それでは、なぜ今、BtoB営業においてMAツールが必要不可欠になっているのでしょうか。
本記事では、BtoB企業にとってのMAツールの重要性や、BtoB向け・BtoC向けMAツールを比較した際のメリットについて詳しく解説していきます。その上で、「自社のリソースで確実に成果を出せるか」という実践的な視点から、BtoB向けMAツールの選び方もご紹介します。
さらに、実際に公式でBtoB向けと掲げている3つのMAツール「ferret One for MA」「List Finder」「Account Engagement」についても取り上げます。具体的にどのようなツールが自社に適しているのか、実務に即した視点で選ぶ際の参考にしてみてください。
なぜ今、BtoB営業に「MAツール」が必要不可欠なのか?

かつては「足で稼ぐ」営業スタイルが主流でしたが、デジタル化が進んだ現代において、MAツールはBtoB企業の競争力を左右するインフラとなりつつあります。
なぜ今、BtoB営業に「MAツール」が必要不可欠なのか?
その時代背景とともに、順に解説します。
- テレアポや飛び込み営業だけでは限界がきている
- 検討期間が長期化しており、人手だけではタイミングの良い追客が困難
- 休眠顧客の掘り起こしが、効率的に行える
関連記事:BtoBマーケティングとは?基礎から手法・フェーズ別戦略マップまで解説
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テレアポや飛び込み営業だけでは限界がきている
労働人口が減り続けている日本では、「人を増やして売上を伸ばす」というやり方が、現実的ではなくなってきています。営業の人手が限られているなかで結果を出すには、見込みの薄いリストへの電話や飛び込み営業といった「効率の悪い動き」を、できるだけ減らしていく必要があります。
また、インターネットが当たり前になった今、BtoBでもお客さん自身がネットで調べて、自分で製品やサービスを探すケースも増えています。つまり、お客さんはオンライン上にもいるわけです。
このような背景から、MAツールを活用したマーケティングの重要性が高まっています。MAツールがあれば、Webサイト上での動きから「今まさに関心を持っている顧客」を自動で見つけられます。営業担当者は、見込みの高いお客さんへの提案に集中できるようになり、チーム全体の成果も上がりやすくなります。
検討期間が長期化しており、人手だけではタイミングの良い追客が困難
BtoB商材は、BtoCに比べて検討期間が長く、数か月から1年以上に及ぶことも珍しくありません。この長い期間中、営業担当者がすべての見込み顧客に対して定期的に電話やメールをし続けることは、物理的に不可能です。その結果、多くの顧客がフォロー漏れによって競合他社に流れてしまいます。
MAツールには、あらかじめ設定したスケジュールや条件に基づいてメールを自動配信する「ステップメール」や「シナリオ配信」の機能があります。これにより、担当者が忘れていてもシステムが自動で顧客との接点を持ち続け、検討意欲が高まったタイミングを逃さずにアプローチすることが可能になります。
休眠顧客の掘り起こしが、効率的に行える
展示会でもらった名刺や、以前お話ししたけれど失注してしまった案件のリスト。引き出しやパソコンの中に、そのまま眠っていませんか?これらは企業にとって貴重な資産です。
MAツールを導入すれば、これらの顧客情報を一元管理し、メールや電話で定期的に接点を持ち続けることで、「そういえば、あの会社があったな」と思い出してもらえたり、「ちょうど今、検討しているところだった」というタイミングで声をかけてもらえるようになります。
新規リードを獲得するコストに比べ、既存リストの掘り起こしはコストパフォーマンスが非常に良いため、ここに着手しない手はありません。
BtoBとBtoCで「選ぶべきMAツール」はどう違う?

「MAツールならどれも同じでしょ」と思って選んでしまうと、実際に使い始めてから「思っていたのと違う…」となるケースが少なくありません。
というのも、BtoBとBtoCでは、そもそもお客様との向き合い方やマーケティングのやり方が全然違うからです。
BtoC向けMAツールは、LINE連携やアプリプッシュ通知、大量のトランザクション処理に優れている場合が多いです。一方BtoB向けMAツールは次のような機能が充実しています。
- 「組織」単位で管理できる機能
- ナーチャリングができる機能
- 営業連携できる機能
関連記事:BtoB向け・BtoC向けMAツールの違いとは?失敗しない選定基準と活用法
「組織」単位で管理できる機能
BtoCマーケティングの対象は「個人」であり、本人の意思ですぐに購入が決まることが多いですが、BtoBの対象は「企業(組織)」です。担当者が良いと思っても、上司や決裁者の承認が必要になります。
そのため、BtoB向けのMAツールには、「どの会社が自社サイトを見に来ているのか」をIPアドレスから特定できる機能や、会社単位でリード管理できる機能が求められます。
メール主体のナーチャリングができる機能
BtoCの場合、「これ欲しい!」という気持ちがそのまま購入につながることもよくあります。一方でBtoBは、感情だけでは動けません。課題解決になるか、費用対効果が見込めるか、といった論理的な判断が求められます。
だからこそ、一度の商談で無理に売り込むのではなく、見込み顧客の課題に寄り添いながら、ホワイトペーパーや事例記事といったお役立ち情報を継続的にお届けするナーチャリングが重要になってきます。
また、BtoBのお客様とのやりとりは、今もPCメールが中心です。
そのため、BtoB向けMAツールには、見込み顧客とのコミュニケーション手段として「メール配信機能」を軸にした長期的なやりとりを管理・実行できる機能が備わっています。
営業連携できる機能
BtoBでは、何度か商談を重ねて、ようやく契約という流れが一般的です。
そのため、MAツール単体では不十分であり、営業部門が活用しているSFAやCRMとの連携が必須となります。具体的には、リードの検討度合いが高まったタイミングで営業部門へ円滑に引き継ぐこと、また失注案件についても再度MAツールでのナーチャリング対象として戻す仕組みを構築することが重要です。
加えて、施策の効果測定を正確に行うためには、リード獲得から受注に至るまでの一連のデータを分析する必要があります。
この連携体制が不十分な場合、MAツールでリードを育成しても営業現場で活用されず、結果として成果に結びつかないという事態を招きます。 そのため、BtoB向けMAツールには、リード獲得から商談までのプロセスを支援するSFA/CRM連携機能が重点的に実装されています。
失敗しない!自社に合ったBtoB向けMAツールの選び方
BtoB企業がMAツールを選ぶ際に、自社に合ったツールを見極めるための着眼点をお伝えします。
- 使いやすさ:マニュアルなしでも直感的に操作できるか
- 運用体制:「兼務」「少人数」でも回せるか
- 連携:今使っているツールとつながるか
- コスト:月額費用だけでなく「運用の手間」も見合うか
使いやすさ:マニュアルなしでも直感的に操作できるか
現場の担当者が最も重視すべきはUIです。使用感は軽視されがちですが、毎日使うツールだからこそ、無駄な作業時間を減らすべきです。 例えば、HTMLやCSSの知識がないと、メール1通を作成するのにもエンジニアへの依頼が必要になるツールでは、施策のスピードが落ちてしまいます。
「まるでパワーポイントを触るかのような感覚」でメールやランディングページを作成できるノーコードなツールを選ぶことが、継続的な運用のポイントです。
トライアルなどで実際の管理画面を触り、直感的に使えるかを確認しましょう。
運用体制:「兼務」「少人数」でも回せるか
「専任のマーケティング担当者がいない」「営業と兼務している」という企業も多いでしょう。その場合、業務を効率的に進められる機能やサポート体制の充実度が重要です。
- BtoB向けのテンプレート(メールやシナリオなど)があらかじめ用意されているか
- AI搭載など、コンテンツ案やメール文面を作成してくれる支援機能があるか
- 導入時の初期設定や運用開始後のサポート体制が手厚いか
これらを確認し、現在のメンバーだけで運用できるツールを選びましょう。
また、シナリオ設定のように工数がかかる複雑な機能は、放置される可能性が高くなりますので、最初から高機能なMAを導入する場合は注意が必要です。
連携:今使っているツールとつながるか
MAツールは単体で使うものではありません。特にBtoBの場合は、獲得したリードを管理するSFA/CRMや、社内のチャットツール(Slack、Chatworkなど)と連携することで真価を発揮します。
例えば、ホットリード(熱度の高い顧客)を検知した瞬間に普段使っているチャットツール(SlackやChatwork)に通知が飛ぶ、あるいはSFA/CRMに自動で活動履歴が残るといった連携が可能かを確認しましょう。
API連携やWebhookに対応しているツールなら、柔軟なデータ連携が可能です。ただし、システム設計の知識に不安がある場合は、標準機能で連携できるツールを選ぶ方が安全です。
コスト:月額費用だけでなく「運用の手間」も見合うか
コストを比較する際は、月額費用だけでなく、「運用にかかる人的コスト」も含めて判断する必要があります。
安価なツールでも、使いにくくて作業に時間がかかったり、成果が出ずに放置されたりしては本末転倒です。逆に高額なツールでも、業務が自動化され、残業時間が減り、商談数が増えるなら、投資対効果(ROI)は高いと言えます。
また、リード数やユーザー数が増えた際に、料金が急激に跳ね上がらない料金体系かどうかも、将来的なリスクを避けるために確認しておきたいポイントです。
目的別・BtoB企業におすすめのMAツール3選
ここでは、公式サイトでBtoB向けを明言しており、BtoB企業での導入実績が豊富な3つのMAツールを紹介します。
ツール名 | 特徴 | こんな企業におすすめ | 費用感 |
|---|---|---|---|
ferret One for MA | AI×シンプル操作、CMS一体型 | 初めてMAを導入する、Web施策も強化したい、少人数体制 | 月額8万円~ |
List Finder | 名刺活用、低価格 | とにかく安く始めたい、名刺情報を活用したい | 無料~、有料プランは月額4.5万円~ |
Account Engagement | Salesforce完全連携、高機能 | Salesforce利用中、複雑な分析・ABMを行いたい大企業 | 月額15万円~ |
BtoB向けMAツールは、企業規模・予算・運用体制によって選ぶべきものが変わってきます。
中小企業やMA初心者には、ferret One for MAやList Finderがおすすめです。どちらもシンプルで使いやすく、月額数万円〜と手の届きやすい価格帯。複雑な設定も不要で、導入したその日から使い始められます。
一方、大企業やエンタープライズなら、Account Engagementが選択肢になります。Salesforceと連携でき、AIを使った高度な分析やABM機能など、本格的な施策が実現できます。ただ、月額費用は15万円〜とそれなりにかかりますし、使いこなすには専門的な知識も求められます。
AI×シンプル操作で驚くほど簡単に使える「ferret One for MA」

株式会社ベーシックが提供する、BtoB企業向けのMAツール。
「使いこなせない高機能MAからの脱却」をコンセプトに、シンプルな操作性とAI活用で誰でも簡単にナーチャリング施策を実行できる設計が特徴です。CMS一体型のため、HTMLメールやLP作成をノーコードで直感的に行えるのも強みです。
成果を出すための施策の実行に十分な機能を備えつつ、その設定自体は簡単。初心者でもすぐに使い始められます。
どのような企業におすすめか
- 既存のMAツールが複雑で使いこなせていない企業
- 機能性は担保したいが、設定自体には時間をかけたくない企業
- Webサイト(CMS)とMAを一元管理して運用工数を削減したい企業
費用
- 月額費用:8万円〜
- 初期費用:3万円
- 無料プラン:なし
- ユーザー数:無制限
公式サイト:https://ma.ferret-one.com/
無料から使えるプランあり「List Finder」

株式会社イノベーションが提供する、BtoB企業向けのMAツール。 「BtoB企業に"ちょうどいい"機能を全網羅!」をコンセプトに、必要な機能を低価格で提供しています。名刺管理ツールとの連携に強く、展示会などで集めた名刺リストへのメール配信や、Web来訪企業の解析機能に定評があります。
無料プランに加え、有料プランではサポートプログラムが使い放題のため、MAツール初心者でも導入しやすいツールです。
どのような企業におすすめか
- 無料プランでMAツールを導入したい中小企業
- 複雑な機能よりもシンプルで使いやすさを重視する企業
- 失注顧客の掘り起こしや休眠顧客の再活性化を図りたい企業
費用
- 月額費用:4.5万円〜
- 初期費用:10万円
- 無料プラン:あり
- ユーザー数:有料プランは無制限
公式サイト:https://promote.list-finder.jp/
Salesforceと連携して高度に使いこなす「Account Engagement」

Salesforceが提供する、BtoB企業向けのMAツール。
世界トップシェアのCRM「Salesforce」との連携が最大の特徴です。高度なスコアリング、複雑な分岐条件を持つシナリオ設計、詳細なレポート機能など、あらゆるマーケティング施策に対応できる高機能さを持ちます。
どのような企業におすすめか
- Salesforceを既に導入している、または導入予定の企業
- 高度なマーケティング施策を実施したい企業
- 予算が潤沢で、マーケティングスキルを有した社員が豊富にいるエンタープライズ企業
費用
- 月額費用:15万円/月〜
- 無料プラン:なし
- 導入費用:公式サイトに明記無し。Account Engagementは初期設定や設計に専門知識が求められるため、認定パートナー企業に導入支援を依頼するケースが一般的で、導入支援費用として、数百万円規模といわれる。
- ユーザー数:課金制
公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/marketing/b2b-automation/
関連記事:Account Engagement(旧Pardot)とは?Salesforceと同じ会社が提供するBtoB向けMAを徹底解説
上司を説得できる!MA導入の「費用対効果」シミュレーション
MAツールの導入稟議を通す際、最も壁になるのが「ROI(投資対効果)」の説明です。経営層は「便利なのはわかったが、いくら儲かるのか?」を知りたがります。
また、自社に近しい課題を持った成功事例も説得材料になります。
こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:マーケティングオートメーション成功事例7選|新規導入からリプレイスまで
どこの数字が改善すれば、ツール費用の元が取れるのか?
MAツール導入で最も改善が見込めるのは、「既存リードからの商談創出」です。
これまでフォローできていなかった名刺リストに対し、MAツールを使って定期的にアプローチすることで、例えば「保有リストの1%」が商談化するだけでも、大きな売上インパクトになります。
また、「業務効率化によるコスト削減」も重要な要素です。手動でのメール配信やリスト作成にかかっていた時間が月20時間削減できれば、それだけで担当者の人件費換算で数万円〜十数万円の価値があります。
稟議書にそのまま書ける「投資対効果」の計算式
具体的なシミュレーション例を挙げます。
【シミュレーションの前提条件】
- 現在の月間Webリード獲得数:100件
- 現在の商談化率:10%
- 現在の受注率:20%
- 平均顧客単価:150万円
【MA導入後の目標(1年後)】
- 月間Webリード獲得数:120件(+20%)
- 商談化率:15%(+5ポイント)
【シミュレーション】
- 年間の商談創出数
- 現状:100件/月 × 10% × 12ヶ月 = 120件/年
- 導入後:120件/月 × 15% × 12ヶ月 = 216件/年
- 増加数:216 - 120 = 96件/年
- 年間の受注数増加
- 96件(商談増加数)× 20%(受注率)= 約19件
- 年間の売上増加額
- 19件(受注増加数)× 150万円(平均顧客単価)= 2,850万円
このように、数字で見積もっても黒字化すること、さらに「工数削減」や「失注防止」という定性的なメリットがあることを併せて伝えると説得力が増します。
【無料テンプレ】入力するだけでOK「MAツール導入・移管効果試算ワークシート」
「自分で計算式を作るのは大変」「もっと詳細なシミュレーションを出したい」という方のために、数値を入力するだけで簡単にMAツール導入・リプレイス時のROIが算出できるワークシートもご用意しております。
社内説得の材料としてぜひ活用してください。
▼ MAツール導入・リプレイス効果試算ワークシート
https://ma.ferret-one.com/wp_ma-roi-worksheet

なお、自社では試算が大変という場合は当社でもお見積もりいたしますので、気軽にご相談ください。
まとめ
BtoB企業にとって、MAツールは今や「あったら便利」というレベルではなく、少人数で確実に成果を出すための「欠かせない存在」になっています。
ただ、どんなに評判が良くて機能が充実したツールでも、実際に使う現場の担当者が使いこなせなければ意味がありません。むしろ、導入コストだけがかさんでしまうリスクもあります。大切なのは、自社の体制や人員に合った、「無理なく続けられるツール」を選ぶことです。
この記事が、皆さまの営業・マーケティング活動をより良くするヒントになれば嬉しいです。
もし、記事内でご紹介したAI搭載でシンプルに使える「ferret One for MA」に興味を持っていただけたら、ぜひ選択肢の一つとして検討してみてください。







