Zapierとは?自動化できることや使い方、料金、活用事例を徹底解説【BtoBマーケター・営業向け】


複数のツールをまたいで、データをやり取りしなければならず工数がかかる
MAツールやSFA、広告など、SaaS間でデータが散らばっており、集計や転記が大変だ
リードが発生しても、営業担当へのSlack通知が遅れがち
BtoBマーケティングの現場では、日々多くのツールを活用しています。「Webフォームからの問合せ」「MAツールの顧客リスト更新」「SFA/CRMへの営業アポ登録」「Slackでのチーム連携」「生成AIのコンテンツの活用」など、複数のツールを使いこなすことは今や当たり前となりました。
しかし、その一方で「ツール間のデータを連携したい」「ルーティン業務だから自動化できないだろうか」という新たな課題が生まれていませんか?
- フォームに来た問合せ情報を、手作業でスプシやCRMにコピー&ペーストしている
- MAで抽出したホットリードを、営業担当者にSlackで個別に連絡している
- 広告レポートを各媒体からダウンロードし、Excelで手集計している
こうした「コピペ作業」や「転記作業」に、貴重なリソースを奪われているケースは少なくありません。この手作業こそが、リード対応の遅れや入力ミスを招く温床となっています。
この記事では、こうしたSaaS間の「分断」を解消し、BtoBマーケティングの業務を自動化するノーコードツール「Zapier(ザピアー)」について、その仕組みから具体的な使い方、料金、実務的な活用事例までを徹底的に解説します。
- この記事の要点
Zapierは、異なるSaaS同士を連携させ、ルーティン業務を自動化する「ハブ」のようなノーコードツール。手作業の工数削減、リード対応の即時化、コピペによる人的ミスの防止など、BtoBマーケティングにおいても大きなメリットをもたらす。
Zapierでは、「トリガー(きっかけ)」と「アクション(実行)」を設定するだけで、プログラミング知識がなくても「Aが起きたらBを実行する」という自動化ワークフローを作成できる。
Zapierには独自の単位がある。ワークフローの単位を「Zap(ザップ)」、Zapが動作する回数を「タスク数」という。タスク数はステップを完了するたびにカウントされる。
Zapierは無料から利用可能。有料プランは$69~/月。プランによって使える機能、タスク数、Zap数が異なる。
Zapier(ザピアー)とは?SaaS連携を自動化する仕組み

Zapierは、プログラミング知識がなくても、日常的に使用している複数のSaaS(クラウドサービス)を連携させ、一連の業務を自動化できる「iPaaS(Integration Platform as a Service)」と呼ばれるツールの一つです。
まずは、Zapierがどのようなツールで、どういった仕組みで動いているのか、その基本を解説します。
Zapierは「SaaS間のハブ」となるノーコードツール
BtoBマーケティングでは、MA、SFA/CRM、チャットツール、Webフォーム、スプレッドシートなど、多種多様なSaaSを利用します。しかし、これらのツールがそれぞれ独立して動いていると、データは分断されてしまいます。
例えば、「Webフォーム(Googleフォーム)で獲得したリード情報を、顧客管理システム(Salesforce)に手動で入力し、営業担当者に(Slack)で通知する」といった作業が発生します。
Zapierは、こうしたSaaS間の「ハブ」として機能します。Googleフォーム、Salesforce、SlackをZapierで繋ぐことで、「フォーム送信があったら、自動でSalesforceに登録し、同時にSlackにも通知する」という一連の業務を自動化できるのです。
連携できるSaaSアプリは8,000種類以上

Zapierの最大の強みは、その圧倒的な連携アプリ数です。2025年10月現在、8,000種類以上のWebアプリケーションと連携が可能です。(公式サイトより)
BtoBマーケティングでよく使われる主要なツールは、ほとんどカバーされています。
例)
- Google系:Gmail, Googleスプレッドシート, Googleカレンダー, Googleフォーム
- Microsoft系:Outlook, Excel, Microsoft Teams
- チャット:Slack, Discord
- サイト制作ツール:Wix
- メール配信ツール:Mailchimp
- MAツール:ActiveCampaign,HubSpot
- SFA/CRM:Salesforce,Pipedrive
- その他:ChatGPT, Notion,Box,Instagram
自社で利用中のツールが対応しているかは、公式サイトの「https://zapier.com/apps」のページで検索できます。ぜひ検索してみてください。
この連携数の多さこそが、Zapierが世界中で選ばれている理由の一つです。
他のiPaaSツール(Make, Yoom等)との違い
Zapierと同様のノーコード自動化ツール(iPaaS)には、他にも「Make(旧Integromat)」や、国産ツール「Yoom(ユーム)」などがあります。
これらのツールとZapierを比較する際の主なポイントは以下の通りです。
項目 | Zapier | ||
|---|---|---|---|
連携アプリ数 | 8,000以上(圧倒的に多い) | 3,000以上 | 700以上 |
UI(操作画面) | 英語 | 英語 | 日本語 |
料金体系 | タスク数(実行回数)ベース | オペレーション数(処理工程)ベース | タスク数(実行回数)ベース |
特徴 | シンプルなUIで設定しやすい。連携数が最優先なら第一候補。 | 視覚的なフローチャートで複雑な分岐も組みやすい。料金が比較的安価。 | UIが日本語で分かりやすい。kintone, freeeなど国産ツール連携に強い。 |
UIが英語である点がZapierの最大のネックですが、連携できるアプリの数は群を抜いています。まずは自社で使いたいSaaSが対応しているかを確認し、もしZapierでしか連携できない場合は、後述する「英語UIの解決策」を参考に導入を検討するのがよいでしょう。
Zapierの自動化の仕組み:「トリガー」「アクション」「Zap」とは?

Zapierの自動化は、「Trigger」と「Action」このシンプルな2つの要素で構成されています。そしてそれらの組み合わせを「Zap」と呼びます。
Trigger(トリガー)
自動化の「きっかけ」となるイベントです。「いつ」動くかを定義します。
例)
- Googleフォームで新しい回答が送信されたとき
- Gmailで特定のラベルが付けられたとき
Action(アクション)
トリガーによって実行される「動作」です。「なにを」行うかを定義します。
例)
- Slackチャンネルにメッセージを投稿する
- Googleスプレッドシートに新しい行を追加する
Zap(ザップ)
そして、この「トリガー」と「アクション」の一連の組み合わせ(自動化のレシピ)を「Zap(ザップ)」と呼びます。
Zapierのアカウント登録後、ユーザーはこの「Zap」を作成していくことで、業務を自動化します。
Zapierを導入する3つのメリット
Zapierを導入することで、BtoBマーケティングの現場は具体的にどう変わるのでしょうか。
ここでは、業務にもたらされる3つの大きなメリットを解説します。
メリット1:工数削減|手作業・転記作業を減らせる
最も直接的なメリットは、「手作業」の時間を大幅に削減できることです。
マーケティング担当者がWebフォームの問合せ内容をCRMに毎日コピペしている作業が月間5時間かかっていたとします。この作業をZapierで自動化すれば、その5時間を「本来やるべき施策の企画」や「コンテンツ制作」といった、より付加価値の高い業務に充てられるようになります。
SaaSを導入して便利になるはずが、ツールのお世話(データ転記)に追われていては本末転倒です。Zapierは、こうした単純作業から担当者を解放します。
メリット2:対応速度の向上|リード対応までに時間を短縮できる
BtoBマーケティングにおいて、リード(見込み客)への対応速度は商談化率を左右する極めて重要な要素です。
しかし、「フォームから問合せがあったことに担当者が気づくのが遅れた」「CRMへの登録が漏れており、営業担当への連携が翌日になった」といったタイムラグが発生しがちです。
Zapierを使えば、「フォーム送信(トリガー)」と同時に「Slack通知&CRM登録(アクション)」を実行できます。リードが発生した瞬間に、関係者全員がリアルタイムで情報を把握し、即座にアプローチを開始できる体制を構築できます。この「即時性」が、競合他社に対する大きな優位性となります。
メリット3:人的ミスの防止|コピペ・入力漏れを防げる
手作業によるデータ転記には、必ず人的ミスのリスクが伴います。「メールアドレスを1文字間違えて登録した」「対応ステータスを更新し忘れた」「問合せ情報の一部をコピペし忘れた」といったミスは、どれだけ注意していても起こり得ます。
これらの小さなミスが、顧客とのコミュニケーションエラーや、データ分析の精度低下に繋がり、大きな機会損失を招くこともあります。
Zapierによる自動化は、あらかじめ設定したルール(Zap)に従って正確に処理を実行します。感情や体調に左右されることなく、24時間365日、決められた作業をミスなく実行し続けるため 、業務品質の安定化と信頼性の向上に直結します。
なぜBtoBマーケティングでZapierが必須ツールなのか?
工数削減やミス防止は重要ですが、BtoBマーケティングにおいてZapierの価値はそれだけにとどまりません。なぜ今、多くのマーケターがZapierのようなiPaaSツールを「必須」と捉えられ始めているのか、その背景と実務的な視点を深掘りします。
【課題】SaaS間の「コピペ地獄」が業務を圧迫している
現代のBtoBマーケティングは「SaaSの組み合わせ」で成り立っています。広告運用、SEO、リード獲得(フォーム)、ナーチャリング(MA)、商談管理(SFA/CRM)、社内連携(チャット)など、各領域で最適なツールを導入する「ベスト・オブ・ブリード」という考え方が主流です。
しかし、その結果、データが各SaaSに分散し、ツール間を繋ぐためだけのコピペ作業や手動でのCSVインポート/エクスポートが爆発的に増加しました。
この「コピペ地獄」ともいえる状態こそが、マーケティング部門全体の生産性を低下させるボトルネックとなっています。担当者は施策の実行よりも、データ連携という作業に忙殺されてしまうのです。
【解決】Zapierが実現する業務フロー自動化の例
Zapierは、この分断されたSaaS間をシームレスに繋ぎ合わせます。例えば、以下のようなBtoBマーケティング特有の業務フローを自動化できます。
リード獲得〜営業連携の高速化
- トリガー:Webフォーム(Googleフォーム等)に問合せ
- アクション1:SFA/CRM(Salesforce等)にリード情報を自動登録
- アクション2:Slackの特定チャンネル(例:#insidesales)に問合せ内容を即時通知
イベント(ウェビナー)管理の効率化
- 【トリガー】ウェビナー申込フォーム(Zoom等)に登録
- 【アクション1】MAツール(HubSpot等)の参加者リストに追加
- 【アクション2】Googleカレンダーに参加者情報を登録
- 【アクション3】開催前日にリマインドメールを自動送信
このように、これまで複数のツール画面を開いて手作業で行っていた一連のフローを、Zapierが裏側で全て自動処理してくれます。
【継続利用に向けて】導入効果を測定する
Zapierを導入する際は、その効果を定量的に測定することが重要です。ツール導入が「なんとなく楽になった」で終わらないよう、具体的な数値を追いましょう。
現場が楽なったと感じていても、上層部にはそれを数字で捉えてもらえなければ来期の予算に組み込んでもらえません。引き続き、快適な環境を仕事を続けていくためにも、導入効果は数字で可視化する習慣をつけることが重要です。
BtoBマーケティングにおける導入効果の可視化例
削減工数(時間)
例)問合せのCRM転記作業:1件あたり5分 × 月間100件 = 500分(約8.3時間)/月 の削減例)広告レポートの手集計作業:3時間/週 × 4週 = 12時間/月の削減- リード対応速度(リードタイム短縮)例)問合せ発生から営業担当のアプローチ開始までの平均時間
(Before)3時間 → (After)15分 - 人的ミス発生件数例)CRMへの転記ミス・漏れ件数
(Before)5件/月 → (After)0件/月
まずは無料プランで特定の業務(例:フォーム問合せのSlack通知)だけでも自動化し、それらの業務がどれだけ改善するかを測定することから始めてみるのがおすすめです。小さな成果を積み上げることで、利用規模を大きくしていくことができます。
Zapierの料金プラン|無料でできること・有料プランとの違い
Zapierは無料プランから利用できますが、実務で活用するには有料プランが必要になるケースがほとんどです。ここでは、プラン選定で失敗しないために、料金体系と「タスク」の概念について詳しく解説します。
5つの料金プラン比較表(Free, Professional,Team,Enterprise)

Zapierには、無料プラン(Free)と4つの有料プランがあります。
プラン名 | 月額料金(年払い) | タスク数/月 | ステップ | 実行間隔 | ユーザー数 |
|---|---|---|---|---|---|
Free | 無料 | 100 | 2ステップ | 15分 | - |
Professional | $19.99 /月 | 750〜 | マルチステップ | 2分 | - |
Team | $69 /月 | 2,000〜 | マルチステップ | 1分 | 25ユーザー |
Enterprise | 要問合せ | 要問合せ | マルチステップ | 1分 | 無制限 |
※2025年10月時点の情報です。最新の料金・仕様は公式サイトをご確認ください。
無料プラン(Free)でできることと制限事項
無料プランは、Zapierがどのようなものかを試すのに最適です。しかし、実務で使うには大きな制限があります。
できること
- 100タスク/月まで実行可能。
- 2ステップZap(2アプリの一方連携)を作成可能。
主な制限事項
マルチステップZapが使えない
これが最大の制限です。無料プランでは「トリガー1つ → アクション1つ」のZapしか作れません。
例:フォーム送信 → Slack通知
「フォーム送信 → CRM登録 → Slack通知」のような複数のアクションを繋げる(マルチステップ)場合は、有料プランが必須となってしまいます。
- 実行間隔が15分
トリガーが発生してから、Zapierがそれを検知してアクションを実行するまで、最大15分のタイムラグが発生する可能性があります。「即時性」を求める業務には向きません。
- プレミアプアプリが使えない
SalesforceやChatGPTなど、一部の主要アプリは「Premium」指定されており、無料プランでは利用できません。
【重要】料金を左右する「タスク」とは?カウント方法を解説
タスクとは、「Zapによって正常に実行されたアクションの回数」です。
Zapierの料金プランは、「タスク」の消費数によって決まります。タスクの定義を誤解していると、想定外の高額請求に繋がるため注意が必要です。
【カウントされる例】
Zap:フォーム送信 → Slack通知
1件のフォーム送信で、Slack通知が1回成功したら「1タスク」消費。Zap:フォーム送信 → CRM登録 → Slack通知 (※有料プラン)
1件のフォーム送信で、CRM登録とSlack通知が両方成功したら「2タスク」消費。
【カウントされない例】
- トリガーが発生しただけでは、タスクは消費されません。
- Filters機能(条件分岐)で処理が実行されなかった場合、タスクは消費されません。
例えば、Professionalプラン(750タスク/月)で、「フォーム送信 → CRM登録 → Slack通知」(2タスク消費)というZapを組んだ場合、月間 375件(750 ÷ 2)のフォーム問合せを処理できる計算になります。
自社の業務で自動化したい作業が1か月に何回発生し、それが何タスクに該当するのかを試算することが、最適なプラン選定の鍵となります。
Zapierの基本的な使い方|5ステップで自動化(Zap)を作成
ここでは、Zapierのアカウント登録からZapを作成し、自動化を実行するまでの流れを5つのステップで解説します。
例として「Googleフォームに回答があったら、Slackに通知する」Zapを作成してみます。
1. アカウント登録
Zapier公式サイトにアクセスし、メールアドレスやGoogle/Microsoftアカウントでサインアップします。無料プランで開始できます。

2. Zapの作成
ログイン後、ダッシュボードの「Create」>「Zap」ボタンをクリック。

Zapの作成画面が開きます。

3. トリガー(きっかけ)の設定
まず、自動化の「きっかけ」となるアプリとイベントを設定します。
- App Event(アプリ):検索窓で「Google Forms」を選択します。
- Trigger Event(イベント):「New Form Response」(新しい回答)を選択します。
- Account(アカウント):ZapierからGoogleアカウントへの連携を認証します。
- Trigger(設定):通知を受け取りたいGoogleフォーム(ファイル名)を選択します。
最後に「Test Trigger」を実行し、Googleフォームから最新の回答データをZapierが正しく取得できるか確認します。


4. アクション(実行)の設定
次に、トリガーによって実行する「動作」を設定します。
- App Event(アプリ):検索窓で「Slack」を選択します。
- Action Event(イベント):「Send Channel Message」(チャンネルにメッセージを送信)を選択します。
- Account(アカウント):Slackアカウントへの連携を認証します。
- Action(設定):
- Channel:通知したいSlackチャンネル(例:#lead-notification)を選択します。
- Message Text:Slackに投稿するメッセージ内容を編集します。ここで、ステップ3(トリガー)で取得したGoogleフォームの回答データを挿入できます。(例:「【新規問合せ】会社名:[フォームの会社名データ], お名前:[フォームの氏名データ]」のように設定します)
- Test Action:設定した内容で、実際にSlackにテストメッセージが投稿されるかを確認します。

5. 動作確認
テストが成功したら、「Publish Zap」をクリックしてZapを有効化(Publish)します。

これで設定は完了です。以降、指定したGoogleフォームに新しい回答が送信されるたびに、自動で設定したSlackチャンネルにメッセージが投稿されるようになります。
BtoBマーケター必見!Zapierの便利な活用事例5選
Zapierの可能性は無限大ですが、特にBtoBマーケティングの現場で即効性のある、実用的な活用事例を5つ紹介します。
【リード獲得】Webフォーム問合せを即時Slack通知&SFA/CRMに自動登録
社内でのやりとりなど、普段チャットツールを活用しているという方も多いでしょう。
リード対応速度が劇的に向上し、営業連携の漏れやミスを減らすこともできるため、最も導入効果が出やすく、優先度が高い活用例です。
- トリガー:Webフォーム(Googleフォーム, HubSpot Formなど)の送信
- アクション1:SFA/CRM(Salesforce, HubSpotなど)にリード(取引先担当者)情報を新規作成
- アクション2:SlackやMicrosoft Teamsの担当チャンネルに問合せ内容を即時通知
【ナーチャリング】特定セグメントの顧客リストをMAツールに自動連携
SFA/CRM側でのデータ更新をトリガーに、MAツールのリストを自動で更新する活用例です。
手動でのリスト更新作業が不要になり、常に最新のセグメントに基づいたメールナーチャリング を実行できます。
- トリガー:SFA/CRM(Salesforceなど)で、顧客のフェーズが「商談化」に変更された
- アクション:MAツール( ActiveCampaignなど)の「商談化顧客リスト」に自動で追加(または既存リストから除外)
【顧客対応】カスタマーサポートの問合せをスプレッドシートに自動記録
サポート窓口(メールやチャットボット)に来た問合せを、管理用のデータベースに蓄積する事例です。
問合せ履歴が一元管理され、対応漏れのチェックや、FAQコンテンツ作成のための分析が容易になります。
- トリガー:GmailやOutlookで、特定の件名(例:[サポート問合せ])のメールを受信
- アクション:Googleスプレッドシートに、受信日時、差出人、件名、本文を新しい行として自動で追加
【イベント・ウェビナー】申込者リストをMAとSFA/CRMに自動連携
ウェビナー運営も、Zapierで効率化できます。手動での申込者リストのCSVダウンロード・アップロード作業をやっていませんか?そういった作業も自動化できるようになります。
MAとSFA/CRMに申込者の情報が連携されるので、そこからリマインドメールや、開催後のフォローアップメールの配信も自動化してくことも可能です。
- トリガー:ウェビナーツール(Zoomなど)に新規申込があった
- アクション1:MAツール(HubSpotなど)の「ウェビナー申込者リスト」に自動追加
- アクション2:SFA/CRM(Salesforce, Pipedriveなど)のリード情報に「XX月XX日ウェビナー申込」のタグやステータス、キャンペーンを自動付与
【コンテンツ制作】Googleスプレッドシートにキーワードを入力すると、ChatGPTで生成され、記事がGoogleドキュメントに自動出力される
AIを活用したコンテンツ制作フローの自動化です。
SEO記事の下書き作成を半自動化し、ライター・編集者の作業効率を大幅に向上させます。
- トリガー:Googleスプレッドシートの特定の列に「作成ステータス」が入力された
- アクション1:ChatGPT(GPTs)に、スプレッドシート上の「キーワード」と「見出し」を基に記事本文の生成を指示
- アクション2:ChatGPT(GPTs)が生成した本文を、Googleドキュメントとして新規作成
Zapier導入の注意点と「英語UI」の解決策
Zapierは非常に強力なツールですが、導入前に知っておくべき注意点とその解決方法を解説します。
注意点1:UIは基本的に英語(公式の日本語対応状況)
2025年10月現在、Zapierの管理画面(Zapの作成画面など)は、基本的に英語です。公式サイトの一部(zapier.com/ja/ など)は日本語化されていますが、実際の操作画面は英語となります。
これが、日本企業にとってZapier導入の最大のハードルとなっています。
解決策:Chrome翻訳と「頻出英語用語集」で対応しよう
英語に困ったら、次の方法を試してみてください。
Google Chromeの翻訳機能の活用
最も手軽で強力な解決策です。ブラウザのGoogle Chromeを使えば、画面全体を右クリックして「日本語に翻訳」を選択するだけで、操作画面のほとんどを自然な日本語で表示できます。
設定でつまずくことの多い専門用語も、翻訳機能を使えばおおよそ理解できます。
頻出英語用語を覚える
Zapierで使う英語は、基本的に決まっています。以下の最重要用語さえ覚えておけば、翻訳なしでも操作は可能です。
- Zap:自動化したいアプリの一連の流れ
- Trigger:トリガー(きっかけ)
- Action:アクション(実行する動作)
- App:連携するアプリ
- Event:イベント(トリガーやアクションの具体的な内容)
- Publish:公開する(Zapを有効化する)
- Filter:フィルター(条件分岐。有料機能)
- Path:パス(複雑な条件分岐)
注意点2:管理されないZapの発生リスクと対策
自動化は便利ですが、管理が疎かになると「誰が」「いつ」「何のために」作ったか分からないZapが乱立する危険性があります。
担当者が退職した途端に自動化が止まってしまったり、意図しないデータ連携が裏で動き続けていたりすると、大きなトラブルに繋がりかねません。
解決策:社内ルールと見直しの決まりを作ろう
何のZapか誰でも分かるようにすることと、定期的に見直すことが重要です。そのための方法を解説します。
命名規則の統一
チーム内で命名規則は必ず作っておきましょう。
例えば、Zapの名前には「【業務名】トリガー → アクション」のように、目的が分かる名前を付けます。
例:【リード】フォーム問合せ → Slack通知
こうすることで、どの業務に活用されているかが、誰でも一目で分かるようになります。
権限管理
個人ではなくチームで管理できる「Teamプラン」以上の導入を検討し、Zapを作成・編集できる権限を特定の管理者に限定するというのも方法の1つです。
無尽蔵に作られることを防ぎ、必要なZapだけを運用していく体制を作ることができます。
定期的な棚卸し
四半期に一度など、現在稼働しているZapの一覧を確認し、不要になったものは停止・削除するルールを設けます。
まとめ
本記事では、SaaS間のデータ連携を自動化するノーコードツール「Zapier」について解説しました。
近年、AIの台頭により、業務自動化ツールの役割は大きく進化しています。単なるデータ転記による工数削減だけでなく、AIによる最適化まで可能になりました。業務を自動化し、ビジネスを加速させていく——この流れに対応できるかが、今後の競争力を左右するでしょう。
「とはいえ、Zapierは英語UIやタスク管理が複雑で難しそう…」 「まずは自社のマーケティング業務に最適化された自動化を手軽に始めたい」
もし、あなたがそのように感じているならば、BtoBマーケティング特有の業務フローに特化した自動化ツールを検討してみませんか?
当社の「ferret One for MA」のワークフロー機能は、MAツール自体がハブとなり、SalesforceやSlack、ChatGPTなどの外部ツールと連携。AIが「今アプローチすべき顧客」の判断を助け 、マーケティング業務に最適化された自動化を実現します。







